再生 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.56  2004年 08月号

再生

今回は再生をテーマとして、お話しします。

 前回、具体的な戦略・戦術をという話をしましたが、当社では戦略として再生というテーマを追っています。簡単にいうと不動産再生が思い浮かぶと思いますが、ビル、賃貸住宅、土地も含め、それ以外にも企業再生、産業再生、人材再生という形まで、考えています。なぜこういう再生というテーマで考えているかといいますと、やはり、20世紀と比べ、21世紀は全く違う方向であるという事がいえると思うからです。

 戦略・戦術を考える上で何が大切かというと、当然時代背景をしっかり読んでいかなければだめだということです。やはり20世紀というのは物が不足していた時代なので、住宅であろうが品物であろうが、物をつくって出せば、みんなが欲しがった。ところが、21世紀になって物余りの時代となると、その中で大事なキーワードは、物をただ提供するのではなく、個人を主人公とした戦略です。したがって、一人一人に対してオリジナルであるというテーマで、ビジネスを考えています。

 実際私たちがやっている不動産の再生ビジネスというのは、困っているところにビジネスがあるという考えで、オーナーさんあるいは企業さんのヒアリングから始まります。具体的には、私たちがもっているのはいいものですよ、という営業ではなくて、どういう事に困っていらっしゃるか聞いていく中で、次から次へと商品をつくってきました。ですから、もしも適当な商品がなければ、その状況にあった商品をつくっていく、ある意味オーダーメイド、オリジナル、そういう感覚で事業をやっています。

 私はこの会社を実践コンサル会社・借上付という言い方をするのですが、実際にお客様一人一人の困った事をおききして、それを何とかしてさし上げる。他へ振るのではなく、当社で企画し、当社でつくり、そして当社で借り上げる。こういうビジネス展開をしているのです。

 これは、会社の規模に関係なく、ビジネスの基本だと思います。困った話があれば、何とかしてあげたいと行動する結果がビジネスになっていくのだと思います。

 私たちのビジネスは次の手として、企業再生・産業再生等、色々な分野に入っていこうと考えています。それは、ある意味で今も困っている企業や、産業という分野でも、行き詰っている、あるいは、サービス業になっていない、まだまだ皆さんの満足を得られていないものはたくさんあると思います。また人材という観点では、日本で一度ダメになった人間は見放してしまうような風潮があったわけですが、これからはそういう事があっても、再度チャンスが与えられるような時代がくると考えており、その分野でも動いていきたいと思っています。

 世の中の不満足なもの、まだ納得のいっていないもの、それらは全て再生の尺度の中に入ると思います。再生というテーマはあらゆる分野にいえるのではないでしょうか。今までは、既成概念に非常に凝り固まっていたので、ビジネスのチャンスを失っていたと思います。もっとフレキシブルに、もっと頭をやわらかくして、ものを考えなくてはいけないと思います。

 先ほども話しましたが、私たちの商品は、単にアイデアが生まれ、次から次へとつくったのではなくて、困っているお客様を何とかしたいと考えた結果、生まれています。また、他に特長として、私たちの商品は、それぞれ独立してやっていますが、各ビジネスの相乗効果が生まれ、それが人数が少なくても経営できるという結果を生んでいます。当社は今期予測の修正を発表しましたが、25人の社員で、10億の経常利益を予定しています。これはパーヘッド経常利益(一人当たり経常利益)が4000万という事です。売上げの増加に対して、経費の増加はさほどでもない、そういう事にこだわっている会社なのです。

 戦略的には、再生、困っているところに、というテーマで、戦術としてはそれを具体的なところに落とし込んでいるわけですが、規模が大きくなっても、人は増やさない、つぶれない企業とはどういう企業か、ということを研究し、各商品をシステム化したり、社員には経営者感覚をもたせ、従業員というのは、どちらかというと、派遣・パートに切り替える。その積み重ねにより、こういう結果が出せそうになってきました。

 ところが、普通はそういったことにこだわらない、あるいは、困っている事にしっかりと目を据えない。そうではなく、加えてスピードというテーマ、このことを考えながらいくと、道はひらけてくると思います。

 当社では、成功の三原則というのがあるのですが、最後にそれをお伝えしますので、参考にしていただければと思います。

 ? 何とかしてあげたい
 ? すぐ
 ? あきらめない

 さらに追加があるのですが、パクる、人からどんどん吸収する。もっと盗むという事があります。

 単純な言葉ですが、大事にしてやられると、必ず成功できると思います。ぜひ行動してみてください。行動しないと結果はでないし、行動していかないと進化はしないと思います。よろしくお願いいたします。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道