遊・健・美 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.57  2004年 09月号

遊・健・美

今回は、衣・食・住に加え、遊・健・美という、美意識の時代がやってきたというテーマでお話ししたいと思います。

 これは、20世紀、21世紀の違いということもいえるのですが、20世紀は衣食住が不足していたものを必死に埋めるという時代、これからの満たされた時代は何かというと、遊ぶこと、もっといえば楽しむこと、そして健康のこと、そして美しさに関心を持つ時代といえると思います。別の言い方をすると、センスの時代ということです。直訳すると、感性ということですが、そういう時代がきた、またそういう意味では各自のオリジナルの時代がきたといえると思います。

 その中で、楽しみ方については、満たされた時代にあってもなかなかわかってきていないと思います。楽しむという事には、何かとお金がかかると思われるかもしれません。私も熱海や軽井沢が好きでよく行くのですが、例えば、熱海の海岸にある1時間ぐらいのハイキングコースを歩くのはお金がかからないわけです。

 つまり、じっとしているということではなく、チャレンジしていく、チャレンジをしながら、自分を楽しませていく。楽しませてくれる、ではなく、自分から楽しむ、与えられるのではなく、自分たちから欲していかなければならない時代だと思うのです。

 健康に関しても、宣伝をみても、いろいろなものがでています。スポーツ器具もしかり、健康機器もしかり、薬もしかりです。美しさに関するものももちろんですが、全部、お金がかかるものという捉え方をしているわけです。

 そうではなく、楽しみ方も、健康も、美も、これはお金だけの問題ではないと思います。例えば、私も毎日走ったり、ストレッチをしていますが、これらは、全くお金がかかっていません。それから半身浴をやっても、お金を払っていない。そして、健康な体が得られるので、楽しむときにも当然活動的にできる。そして、健康であることがまた顔にでてきて、体から活気がでてきて、当然、前向きな姿勢になる。前向きな姿勢になるといろいろなことができるようになります。また、美というのは、例えば着るものでも、積極的に考えたら、何でも新しいもの、ブランドものではなくて、アウトレットにいけば、安いものがたくさんあります。選び方というのは、いくらでも方法論があると思います。

 ところが、健康でない、活動的でない、チャレンジ精神がないということになりますと、そういう人はその場にいってもそういうものを探そうとしないし、そういったものにチャレンジしてみようとは思わない。結局は、何もせずにお金で解決するという考え方が蔓延していると思います。意識として、お金のかかる遊・健・美にまどわされていると思うのです。遊・健・美はお金がなくともできます。ただし、積極的な意識がなければ、むずかしいということなのです。では積極的な意識がない人たちはどうするのかというと、薬などを飲み続ける。ただし、それらも飲み続けるという積極姿勢がなければ、まったく無意味なわけです。

 今の社会のなかでは、ひとつひとつ前に向かっていくこと。それから、チャレンジしていくこと。そして自分自身を鍛えていく、という事が非常に重要になったと思います。ただ、世の中は楽をしてそうなりたいという方が多いので、そういう企画が増え、商品もどんどん増えるので、それにお金を使っていく、そういう時代がしばらく続くと思います。ただ、最終的にはそれらがお金のかからない方向になっていく、そういう方向がすばらしいと思います。

 その中にビジネスチャンスもたくさんあるでしょう。ただ、そういう時代は長く続くとは思っていません。

 ここで、私どもの会社が目指している方向性を少しお話ししたいと思います。先日、10期の中間決算発表会で、今期の売上68億に対して、経常利益10億、社員数25名ということで、パーヘッド(一人当たり)の経常利益4000万という数字をあげました。この数字は毎年あがっており、去年は2300万、その前は1300万、その前年は800万でした。これに対して、皆さんは少数精鋭という捉え方をされますが、そうではなく、社員ひとりひとりにどういう意識付けをさせるか、ということが重要です。当社は社員ひとりひとりが経営者という捉え方をしております。それぞれが経営者的意識でやっていき、従業員は、派遣・パートの方が受け持つ。言われたことをこなすのは、パートの方、社員はチャレンジ意識をもって、という考え方をしております。

 この4年間、おかげさまで業績も倍々で伸びてきているのですが、伸びていくなかで大事なことは、社員の成長力だと思います。私は、社員に対して成長力とは何かという教育を始めています。それにのれない方は当然やめていかざるを得ないのですが、やはり、社員を成長させる仕組というのは、すごく大事だと思います。初めは私ひとりがひっぱってきたわけですが、今は、考えさせる、そしてやらせる。それから、言い訳をさせない。よく、時間がない、体が弱い、これができない等、自分自身が何の工夫もせず、言い訳に逃げている事があります。だったら、体が弱ければ、体を鍛える、時間がなければ、どうやって効率的に動くか考える等、問題を感じたら、それに対して積極的に解決の動きをとるといったことをしていかなければ、難しいと思います。そうすると、それは、大変じゃないか、疲れるんじゃないかといわれるわけです。

 私は、人生というのは、自分を磨く旅だと思っています。自分を磨くためにそんな理屈はいらないのです。そういう中で生きていける人が、この世の中に生まれて、最後に良かったなという人生があると思いますが、中には、自分はやっぱり気楽に生きたいという方はいらっしゃると思います。ただ、当社は成長したいと思う人間の集まりでありたいと思いますし、こういう信念をしっかりもち、パーヘッド経常利益を意識し、そしてつぶれない会社とは何かを考え、こだわりながら、経営を続けたいと思います。それらも次々に結果がでますので、ぜひご覧になっていていただきたいと思います。

 また話は最初に戻りますが、衣・食・住、遊・健・美の時代がきたので、全てお金ということではなく、気づかい・心づかい・あるいは、サービスというものに関し、「さすが」「感動を与えられる」ということが、私はビジネスにつながると思っており、お金だけで全て解決するというのは、違うような気がしています。

 これらをヒントにチャンスを掴んでいっていただければと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道