今後の具体策 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.70  2005年 10月号

今後の具体策

● 目先の経済の活況は悪い方向に転じる可能性

 今回は「次のビジネスの姿はどうなるのか」について、私の考えをお話しします。

 前回の「時代を読む」で、私は「日本経済は転換点にある」として、現在の景気判断についてお伝えしました。その中で、目先の経済の活況は数年後に転換する。それも悪い方向に変わる可能性が高いと予想しました。

 現在の不動産の上昇が、不良債権が増えるなどの悪い形で下がったらその後の経済の停滞はかなり長くなるでしょう。バブル崩壊後と一緒です。

 経済が激変した後で、何が来るのか。私は世の中とビジネスの姿が相当変わると思います。

 まず、人と同じことをやってもこれまで以上に儲からなくなります。同じことを続ける企業は必ず負けます。厳しい競争が一段と加速するでしょう。

 その結果として、儲けられる会社、組織、人に仕事を委ねる動きが一段と加速するでしょう。企業経営では、経営と運用の分離が強まります。儲けるところに運用を委ねるからです。

 リスクをしっかりと取り、応分のリターンを取れる会社が儲けられます。それを見極めるには「プロ」の力が必要です。得意分野に特化した「プロ」が一段と重要になるでしょう。

● 「さすが」「まいった」「すごい」がプロ

 「プロ」とはどのようなものでしょうか。提供するサービスでお客さまを「さすが」、「まいった」、「すごい」とうならせること。それが私の考える本当のプロです。

 私たちはこれまで、不動産の実践コンサル会社として本当のプロを目指しました。不動産資産の現状に不満を持ち、困ったお客さまを「さすが」、「まいった」、「すごい」と私たちのサービスでうならせる。そして笑顔を取り戻していただく。これがエリアリンクの願いです。自慢するつもりは毛頭ありません。私たちのビジネス上の挑戦は、読者の皆さまにも自らを省みるヒントになると思い、申し上げます。

 これらは全て地域でできるビジネスだと思います。地域で倉庫もあれば店舗もあり、空き地・ホテルなど色々な材料が転がっていると思います。その中で、その商品をどう切り替えていくべきか、を考えていく時、正解を出しやすい。というのは、その地域に何が必要なのかを一番わかっているはずだからです。つまり、真剣にその地域を何とかして良くしよう、その地域を活性化しよう、もっといい地域に変えていこうという使命をもって行動することが非常に重要だと思います。逆に心の中で、ダメだとおもった途端に終わってしまうでしょうし、またそういう考えではアイデアも出ないでしょう。

 そのためには、とりあえず自分たちでそれを借上げて、その事業を試してみるという一歩が必要になってくると思います。確かに事業を始めようとすると、物件を買うお金が無いとか、あるいは借上げであっても踏み切れないとか、できない理由はたくさん挙げられると思います。だとしたら、第一歩目としては、この程度の店舗であれば借上げられるなとか、この広さの土地であればできる、あるいはオーナーさんと共同でやることもできると思います。そうやってチャレンジしていくと、また行き詰まることもあると思います。それを打破するためにアイデアを出し、そのアイデアをまた次の商品にして、ということを次々にやっていかないと、いつまでたっても始まらず、誰かがそれをやると、自分も考えていた、などという考え方になってしまうと思います。私たちも色々な商品をつくってきましたが、そんなに甘いものではありませんでした。全て初めは多くの苦労があり、それらを乗り越えてきています。少しやってみれば簡単にできることであれば、誰でも真似られるし、誰にでもできます。やはり、こつこつとチャレンジを続けるしか方法はないと思います。

● 資金獲得の道筋をつける

 話は少し大きくなりますが、これからは資金調達・運用ということも非常に重要になってくると思います。いま多くのファンドが伸びていますが、自分たちでも私募など新しいお金の集め方を研究し、不動産をからめた運用というシステムはできると思います。今後は間接金融だけではなく、直接金融で集めていくという道もひらけてきています。

 こうすれば、投資家の皆さまも利益を得る。不動産のオーナー様も安心する。そして、私たちも一段と大きなビジネスができる。誰もが利益を得る形になります。次のステップでの、ビジネスは全て関連しています。相互作用が、新たなビジネスを生む期待を私は持っています。

 単純にいうと、お金があったら欲しいなというものを皆でお金を集めて買うような、自分が欲しいもの、という判断基準はすごく重要だと思います。これは儲かるな、という基準ではなく、自分自身がいいと思い、欲しいと思ったものに関しては、あきらめない方がいいと思います。欲しいと思ったとか、そんな感覚をもっていれば、次の方にいいものを提供できる。そういう考えをもっていることが、「さすが」、「まいった」、「すごい」ということを実現できる第一歩だと思います。絶えずチャレンジしていく事は本当に大変ですが、そうでないと、これからの新しい時代を乗り越えたり、伸びるということが難しいと思います。

 「さすが」、「まいった」、「すごい」。厳しいお客さまに、是非このような評価をいただきながら、変革の時代を乗り越えたいと考えます。私たちも、本当のプロを目指します。「時代を読む」の読者の皆さまは全て「本当のプロ」でしょう。共に高みを目指しながら、私たちにご指導いただくことを願ってやみません。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道