大家業 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.92  2007年 08月号

大家業

 今回は「大家業」というテーマでお話します。
 今、不動産事業は銀行などの金融機関が保有しているものも含めて売買、投資に対する判断が難しくなってきております。権利関係の複雑なものや運用が難しいものなどが売却され、今後、ファンドに関する規制も厳しくなりますから、さらに所有物件の売却傾向が強くなっていくと思われます。
 そのような中で、私どもは不動産保有を重視し、不動産を購入しております。単純な理論で、買いが強くなれば売り手が、売りが強くなれば買い手が有利になります。物事の判断は自社の損得だけでなく、世の中の流れによっても判断しなければいけませんから、買い手が有利な状況においては、選んで買う人が勝つと思います。
 当社は不動産の再生活用に力を入れて参りましたので、そのノウハウを用い、運用力を持って安定収益を上げられます。活用方法によって、不動産事業は一番安定していると考えております。極端に言えば契約がゼロでも収入はゼロにならない、積み重なるビジネスだからです。物品販売業や飲食業では、売れなければ、あるいは、お客様が来なければ収入はありません。それに対して、不動産は一度に全員が解約することは極めて少ないので、運用できる数が多ければ多いほど、ベースとなる賃料が増え、安定していきます。

 今後は、都心も含め、安く高利回りで運用できるものを買っていかなければいけないと思います。世の中のスピードはとても速いですから、このような好機はそれほど多く来るものではありません。区分建物や店舗で権利関係が複雑な不動産は、ファンドや一般の不動産業者があまり好まないですから、比較的安く買うことができます。利回り8%を越えるものをひとつの判断基準としておりますが、そのような不動産はそう多くはありません。それでも、当社は、ストレージ(トランクルーム)、SOHO、コインパーキングやバイクBOXといったように、ひとつの不動産に対し、あらゆる手を使って運用できる方法を考えます。当社のノウハウを入れることにより利回りを高くし、3分の1程度は売買して流動化も考えておりますが、それ以外は保有することで利益を上げていこうと考えております。保有と売買という二つの方法を持って運営していくことで、短期的にも長期的にも資金面を含め安定企業を目指しております。
 簡単に話しましたが、ストレージ、SOHO、コインパーキングなどを順調に伸ばしてきた結果、それらを基盤に、
長期固定金利での借入れ、権利関係が複雑なものを整理し、価値のある商品に変えていくということを続けてきたからこそ実現できるのではないかと思います。

 我々は、今皆さんが困っている不動産、うまく運用できていない不動産に手を加えることで不動産価値を高め、運用して行こうと考えております。広く展開していくには多少時間も必要ですが、いい意味で気長にやっていこうと思っています。ある意味、大手やファンドがやらない街づくりに貢献できると思っています。これからも、既存のノウハウだけでなく、常に新しい商品を創りながら大家業を進めていきます。普通の大家さんは基本的に自身でお客様を付けられませんが、私どもは自分達でお客様を付けられる。その強みを持って進めて行きたいと思います。
 不動産業を営んでいる方は、不動産を所有するという考え方があまりなく、すぐ売ってしまうという傾向が強いのですが、
不動産は保有してこそ面白みがあると思いますから、徐々に物件を増やして大家業というひとつの目標を持つことも重要だと思います。
 お読みになった方も多いとは思いますが、ロバート キヨサキさんの著書、「金持ち父さん 貧乏父さん」は個人を対象とした資産運用の本ですが、企業で私が言う『大家業』を実行してみることも大事だと思います。結果的に最後までやりきった人は何らかの形にしているわけですから、まずやってみることが必要ではないかと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道