皆が心配している時は何もない - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.94  2007年 10月号

皆が心配している時は何もない

  今回は、「皆が心配している時は何もない(起こらない)」というテーマでお話します。
  これまで、バブルの崩壊や株価大暴落の時など、誰もが予期していない時に事が起こり、歴史に残る大きな痛手を被りました。
今後の不動産市況はとても厳しくなるという意見がたくさんあります。分譲などの住宅系に関してはかなり厳しい状況へと向かうでしょう。今後、16年程前のバブル崩壊と同様のことが起こるのかどうかというと、そうではないと考えております。当時は全体が一斉に値上がりし、一斉に崩壊した事に対し、今は利用価値のあるもの、収益を生むものはどんどん値上がりしていき、価値の無いもの、収益性の無いものは下がると考えております。
 慎重さを欠いてはいけないことは確かなのですが、皆が危ない危ないと気をつけている間は安心なのかもしれません。逆に、皆が安心、大丈夫だと思い始めたときに大きな落とし穴があると思うのです。警戒している時には何も起こらないのに、気が緩むと何かが起こる。これは営業と似ているような気がします。申し込みが入り、契約目前で安心した時にお断りの電話が入ってしまった、最後の最後で白紙になってしまうこともあり得ます。 

 先の世界柔道で谷亮子さんの試合を見て気づいたのですが、あの方は、最後優勝するまで一度も笑わなかったですよね。最後まで集中力を保って、絶対気を緩めないという気迫を感じました。これは経営や営業も含めて全てに通じることではないのかなと思いました。安心したところに落とし穴がある。到達点までは絶対安心はしない、という事をいつも考えなければいけません。
   あまのじゃくのような言い方かもしれませんが、多分、皆が思った事は起こらなくて、予期せぬことが起こる。災害や天変地異も含めて色々だと思います。結局右によりすぎれば左のことが起こる、左により過ぎれば右の事が起こると。そう考えた方が自然でバランスが取れているのかも知れません。ですから、物の流れを見ていく上でやはりその逆というか、みんなが考えた事とは別の方に物事が起こるようになっているのかなという感じがします。物の見方は世間が、皆がどう思っているのかなと考え、それとはまた逆のことも起こりえることを想定しておく。何が起きても対応できるように緊張感を持つ。ただ単に皆が良いと言うからついていくと痛い目にあってしまいます。

 結局は安心してはいけないですよ、というのが最終的な答えなのです。だからといっていつもピリピリしているというわけではなく、常に良いことばかりは続かないのだ、だからどんな状況にも対処できるように手を打っておこうという意味です。このような考え方を意識していくことで、様々な判断ができるようになると思います。
 目標達成や到達点に行った、契約して最後の入金があった、これ以上のことは無いという証拠と確信がもてる結果が出れば、そこでまず一息をついて、すぐ次の目標に向かう。
複雑な話し方になっているかもしれませんが、私が生きてきた中で体験し、実感していることですのでそれほど間違っていないと思います。
  相手がこうだ、メディアがこういっているからそうなのか。ということではなく、それはひとつの事実として捕らえてまた別の視点からも考える。一見あまのじゃくのような考え方も必要だと考えております。絶対は無いので確信するまで安心せず手を打ち続けます。このことは全てにおいて共通のような気がします。ぜひとも参考にして頂き、次の機会からでも、こういった見方でものを判断していただければと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道