年間家賃100億円突破 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.102  2008年 06月号

年間家賃100億円突破

 今回は「年間家賃100億円突破」というテーマでお話します。
皆様もご存知の通り、不動産業界は昨年の秋口から大変厳しい局面に立たされております。物件の売買、流動化が困難な状況になり、この情勢の中、倒産まで追い込まれてしまった会社も耳にします。

 そういった環境下で、私たちは何をしていかなければならないのか、また、何を目指していけば良いのかを常々考えております。当社の話になりますが、昨年後半から最悪の状況を想定した上で、早い段階から判断し、収益性の低い現場の整理をした後、ストック型で家賃収入を伸ばしていく体制に切り替えてきました。それが今、家賃収入で年間100億円を突破しております。ストレージやコインパーキング、SOHO等のサブリース中心の事業で80億円、所有不動産の賃貸で20億円に達しています。サブリース又は不動産所有によるオーナー業など、所有形態もその物件の条件にあったものを選択し、商品を組み合わせて運用します。所有も重要ですが、キャッシュフローを考慮の上、サブリースでも運用できる仕組みを作っております。私は、家賃収入でやっていける会社というのは、不動産業界の理想型になると考えています。

 資産に余裕があれば別ですが、大家業を営むためには、まず物件を仕入れなければなりません。仕入れのタイミングは、まず、不動産が安くなった時、つまりネット利回りが高い時です。それを見極める際、空室率等リーシングの状態も重要です。取得価格が安い時以外は買わないことを方針としています。
 世の中の流れを読み、不動産の波をうまく組み込んで、価格が下がって利回りの高い時に不動産を所有し、逆に価格が上がった時には一部を売却して借金を減らす。これを繰り返し、取得時に15年、20年といった長期借入を金融機関と交渉してまとめておき、キャッシュフロー上も負担が少ない状況にしておくことで、不動産の運営上、安定した家賃収入が見込め、着実に成長できる企業となることができます。より安定した会社となりますから、金融機関の信用も得られ、融資も受けやすく、所有物件が増やせます。

 なぜ安定成長にこだわるかといいますと、安定は会社に余裕と時間をもたらすと思うのです。財務基盤が堅固で安定した会社になることによって、100年200年という成長が望めます。
 非住居系の賃貸はマーケットがまだ飽和していない状態なので、賃貸ニーズが高い好立地選定ができ、サブリースも含め、まだまだ成長していく分野です。
蓄えをしながら不動産業を地域と密着してできる。企業が存続して次の代までも運営が続いていける。余裕が出てくると地域の為に何かをすることも出来ます。これからの不動産のあり方というのは、サブリースと所有の大家業を組み合わせて安定成長しながら、地域貢献をしていくことです。

 これは一般の不動産業の方だけでなく、不動産管理業の方にも当てはまると考えております。他人の物件を管理するだけではなく、同時に自分の物件も仕入れて管理しながら、たとえば物件を二つ買って賃料収入を得て市況がよくなれば一つ売り、もう一つは残す。それの繰り返しで三つ買って一つ売る。四つ買って一つ売る。仕組みと継続により安定したビジネススタイルを持つことで、長期計画をしっかり立てられるようになります。流動化とは違った形になりますが、ある時には大きく伸びる要素をたくさん持っています。個人商店のような要素が強い業界ですが、この業界に入った時から、なんとしても業界全体を変えたいという一心で今まで突き進んできました。

 自分たちでリーシングができ、好利回りが出せる。場合によっては物件の売買によっても利益を出せる。まさにこれこそ不動産業における理想型ではないかと考えております。大家業に専念し、強い会社を目指します。
  今後も、様々な意味で大きな波がたくさん来ると思いますが、不動産業界だけでなく、金融機関をはじめ、様々な方と協力して、100年後も続く不動産理想型の完成度を高めます。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道