損をする人、得をする人 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.104  2008年 08月号

損をする人、得をする人

今回は「損をする人、得をする人」というテーマでお話します。

    これまでに何度も書いておりますが、不動産業界、特に売買を中心にしてきた会社はとても厳しい状況に立たされています。これから生き残るために、不動産の損切りをして売り出す動きが活発になってくるでしょう。金融機関の協力の下で売却するのですが、今損切りをしてBSを軽くすることがベストだと判断し、売却を早めていきます。損切りをして売却する会社が増えれば、買い手にとってはお買い得ということになります。不動産にしろ、株にしろ、底で買えということがよく言われますが、底がどこかということを見極めるのはかなり難しいと思います。

   そのような厳しい状況も、私はチャンスだと思います。これは歴史に繰り返されていることですが、不動産だけでなく何でも、崩壊、暴落をする時は千載一遇の機会です。その時に買い手になれる投資家が得をします。不動産では、物件の投資利回りや収支を見ればある程度のラインは見えてきます。不動産の損切りによって、都心の物件で投資利回り10%を超えるものが出てくると思います。

   これからは、不動産業界も損をする人、得をする人がはっきり分かれると思います。買い手は、キャッシュポジションに余裕がある、または、金融機関から資金調達ができる人です。暴落をした時に投資を出来る人たちは、どんどん富を大きくすることができ、逆に売らなくてはならない状況にある人は、どんどん損をし、厳しい状況に置かれていくでしょう。この状況で次の時代を担っていく人が虎視眈々と機会を狙っています。ですから、このチャンスを狙っていくべきです。その為にも、キャッシュフローを改善し、自助努力によってキャッシュポジションを上げておかなければなりません。

   今後、不動産や経済の情勢から、シビアな状態が続くでしょう。一つ損をすると、また次と、追い討ちを掛けるという構図になってきています。ですから、これからは厳しい目で判断をしていかなければなりません。損をする人はできる限り早く決断する。そして、得をする人は投資利回りを考えてじっくり吟味して買う。
   日常生活の中でも、高速道路や街中を走る車の数が減り、レストラン、商業施設も含めて、人や物の流れが悪い世の中になってきていると感じます。一時的な状況であればよいのですが、とても危険な状況下にあると考えています。

   世の中というのは、常に良い時ばかりではありませんし、やはり時代の流れというものがあります。良くない時は、準備に専念することが重要ですから、徹底した施策を実行し尽くした会社が次の舞台に行けるのだと思います。私も含め、再度会社を見直し、足元を見ながら次の展開も見据えて、もっと悪い状況下でも耐えられる会社を作っていきましょう。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道