小康状態から大変化へ - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.117  2009年 09月号

小康状態から大変化へ

   今回は「小康状態から大変化へ」というテーマでお話します。

    このところ、不動産会社の倒産や民事再生の数が非常に少ない状況にあると思います。銀行もあまり強硬な手段を取らず、債権関係など色々な企業の問題にメスを入れてこなかったように思います。私は選挙後から秋口にかけて、金融機関の動きが活発化するのではないかと予測しています。長く100年に一度の不況と言われ続けてきましたが、今回が最終章に入るのではないかと感じています。金融機関が動き始めることによって、色々な業界の再編が一気に進み、吸収や合併も多くなると思います。

   最近、私は1:9の理論と言っているのですが、生き残ったものの2極化というのは、5:5では無く1:9の比率になると考えています。1の方が9を飲み込んでしまうというか、本当に強いのは、1割程度の数なのだろうなと思います。ですから業界再編が進むと、一見混乱しているように感じられると思いますが、ある意味では整備されて行くことになると思います。以前からお伝えしておりますが、こういう時代が来る為の準備と実行は、本当に早い時期からやっていなければいけなかったと言えます。我々も生意気を言いますと、お陰様で1:9の1の方になれたのではないかと自負しております。

   現在、中古物件・投資利回り商品・建売用地に関してはやや品薄状態の為、価格が上がり始めているという印象があります。金融機関が動き始めると融資と同時に処分も増えてくると思いますので、市場に物件が出てくると思います。ですから、不動産のマーケットはここ数ヶ月、非常に動きが良くなるのではないかと予測しています。但し不動産業界では、これまで何度も繰り返されてきたように、また利益を求めて売ったり買ったりを行うと、これまでと同じく痛い目に遭います。

   私は不動産業のあるべき姿とは、賃貸経営業である。すなわち不動産の運営の方に強い会社であるべきだと思っております。ですから、売買に関しては、現在のように市況が悪くなり不動産価格が低くなった時に購入し、きちんと整備及びリーシングを行って保有する。そして、ある程度の期間を置いてから、また価格が上がった時に一部を売り、資金を貯める。つまり、タイムラグを置いて計画的に「買う」「休む」「売る」を行い、継続しての売買は行うべきではないと思っています。    

   もしかすると、これから株価が上がることによってビックチャンスがくるのかも知れませんが、またその波に乗って一儲けという考えは避け、地に足の着いた経営をしなければいけないと思います。 我々も気を緩める事なく、賃貸経営と物件保有の独自のビジョンを持ちながら、不動産業のあるべき姿というものを、これから見本として示すことが出来ましたら幸いだと思っております。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道