70%経済 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.122  2010年 02月号

70%経済

   今回は「70%経済」というテーマでお話します。  

  まずテーマの前にお伝えしたいのですが、先月この時代を読むの反響を多数頂き、大変感謝しております。こんなにも関心を持って頂いている方が多いのだと分かり、非常に励みになっております。これからも実践を通した話を発信していきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。  

   それでは今回の本題に入りますと、昨今の経済状況は二番底の懸念も消えず、不安定な状況は今後も続いていくと思います。私の読みですと、まだ更なる倒産・整理が起こると思っています。結果的に言うと、経済自体が縮小してしまったと思っています。この事を私はあえて「70%経済」と呼びたいと思います。 

   過去の大量生産から始まり、飽和の時代が過ぎ、無駄なことをやって成り立っていた経済は終わりました。インターネットが発達してたくさんの情報が得られる事によって、今は消費者が色々な選択や判断が出来るようになっています。ですから各個人からの無駄な支出が減り、ものの価値を個人が判断出来る時代になったと思います。私は消費者がプロ化したのだろうと思っています。昔のように裏が見えない商売はもう出来ないと思います。今は、リスクはリスク、良いものは良い、問題があるものは正直に話し、相手の方に納得して頂いてその商品の価値が決まっていくのだと思います。あらゆることをオープンにせざるを得なくなったと思うのです。  

  経済のベースが100%ではなく70%になったという観点からものを考えないと判断を誤るような気がします。今まで通りのやり方では70%よりも更に落ちるのではないかと思います。では足りない分をどう増やしていくかが問題ですが、経済のベースが70%になれば、コストも70%以下にしなければいけません。もしかすると倍のお金をかけて宣伝費をかけるのではなく、納得したお客様からどんどん広がっていく仕組みにしていなかければいけないのかも知れません。 

  このような時代の変化を社員にも自覚させていかなければいけないと思います。コスト意識やお客様への対応の仕方など、今までの考え方を一掃させるような教育が必要だと感じています。基本は消費者にあり、分かっている人を相手にしているということ、経済は70%に縮小してしまったというベースでものを考え始めることによって、活路が見出せるのではないかと思います。社員一人一人ときちんと話をしながら目的意識を持たせられれば、社員が変わっていけると思います。逆に今までの考え方を変えられない人は生き残れないのだと思います。労働力だけで言うと外国人の方も非常に多くなっていますし、コストの安い人件費も増え、収入形態も変わっていくだろうと思います。経営者は社内の考えを一掃させることに力を注がないと、数年後に大きく差が出てきて会社の存亡にも係わってくると私は思っています。

   当社は今、社員を20時までには帰社させています。ただの労働者にならないよう、仕事の効率化を図り、もっとクリエイティブなことに時間を使えるようにしています。工夫をして効率を上げ、もっとお客様の事を考える時間を取るようにしています。まだ当社も実践途中ですが、それなりに効果も出ています。また、先月お伝えしましたが、私は現在、朝30分の営業社員研修を毎日行っています。日曜日の現場廻りと研修も続けています。見違えるほど変わって結果が出ている社員もおり、研修の重要性を実感しました。少しでも参考になればと思います。  

   これからは各個人消費者もお金の使い方を非常に工夫されてきますし、もっとシビアになっていくのだと思います。どうすればお客様に納得して頂けるのか、どんなサービスを求めているのかという原点に立ち、時代の変化にあった商品・サービスの判断をしていく事が必要だと感じています。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道