VOL.132 2010年 12月号
今回は、「現実を受け止める」というテーマでお話します。
十年前に日本が世界ランクで一位だった分野が、今は十番以内にも入っていないものが沢山あります。台湾・韓国・中国などがあっという間に抜いて来ました。
先日ラスベガスにも行って来ましたが、本当に不景気で、住宅価格が購入して値上がりした頃の半値になり、その値段でも売れていないところもありました。世界は非常に混沌としています。
中でも日本は悪い状態にあるのではないかと思います。毎年国債を発行しなければやっていけない状況ですし、よっぽど抜本的な解決をしないとこの状態はずっと続くでしょう。ある時には国債が売れなくなる事態も出てくると思います。
最終的には国家破産に近い状態になるかも知れません。結果的に円安と同時に金利が上がり始め、今お金を借りている人達が悲鳴を上げるようになる可能性も否めません。そうして、ハイパーインフレも起こり得ると思います。かつてロシアやジンバブエが経験した様に、パン一個を買うのも数万円払うということが起こるかも知れません。
そのような時に通用した通貨がドルだったという事実があります。私も将来に備えてドル等外貨は用意をしています。何か起こった時に困らないようにしています。
私どもの経営としても、金利上昇に備えて、現在借り入れは減らし、同時にストック型のビジネスだけで会社が成り立つように安定化を図っています。
世間はなんとなく景気が良くなってもらいたいと思っていると思います。ただ私は現実的には、この今の情勢ですと厳しい状況が続いていくと思っています。今まで私たちが経験したことの無いことが今後起こるような気がします。
何度かこの「時代を読む」でもお伝えしていますが、今の経済状況は特別ではないと思っています。現実を受け止めて、景気がいつか良くなるという考えは捨て、今後起こり得ることの事態に準備を重ねておくことが大切な時期だと思っています。準備自体をやっていて損はないと思います。
当社も気を抜くことなく、現在社員への教育と意識の向上、またお客様サービスの改善など、日々様々な対策を打っています。一日一日が過ぎていくわけですから、覚悟を持って現実を受け止めて、今からでもすぐ準備をされることが望ましいと私は思います。
その準備が出来ていれば、大変な数年の後、大きなチャンスが沢山来ると信じております。