未来に手を打つ・種を蒔く - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.142  2011年 10月号

未来に手を打つ・種を蒔く

 今回は、「未来に手を打つ・種を蒔く」というテーマでお話します。

 私は小学校の頃から、夏休みの宿題は日記以外、だいたい3日位で終わらせていました。朝から晩までずっと机に向かい、集中して行ったおかげで、残りの休みはたくさん遊べる、非常に楽しい夏休みだったという記憶があります。

 社員に色々と話を聴きますが、いつも忙しい、忙しいと言っています。それは結局作業に忙しいのだと思います。会社では基本的に作業に追われて忙しくなりますが、これは頭を使って忙しいのとはまた違います。当社は19時迄に退社するようにしていますが、早く帰った後の時間や土日にきちんと考え段取りをしておくことで、仕事に余裕が生まれていい仕事が出来ます。

 そして、常に自分が気になっている事、問題だと思っている事をノートに書き留め、それに対してどう対処して行こうかと考えておくことが非常に重要です。そうして前もってこれから起こり得る事に対して手を打っておくと、起こってからバタバタすることは無くなります。

 例えば分かり易い例で言うと、年金制度についてですが、周りへ訊くと年金は当てにならないと誰もが言います。では当てにならないのであれば、他に何の手を打っているのかと聞くと、何もやっていないとの答えが多いのです。

 その時にならないと分からないといった考えが一般的に多いようです。ですから事が起きてからあたふたします。要するに、未来に崖があったり穴があったりなど色々な問題があるのを知りながら、眼を瞑って歩いているような状態なのです。

 手を打つ上で、100点満点の答えはありません。常々社員に言っていますが、49対51の判断で結論を出さなければいけないということを教えています。悩んで出した答えが仮に失敗であっても、それが自分の財産となります。常にジャッジして答えを出していかなければいけないと思います。

 いつも仕事に追われているような生活をすれば、休みの日は疲れて、ただ寝ているだけになってしまいます。人生においては仕事だけではなく、家族との交流や自分の趣味、友人との関係など、バランスがとれていることが幸せなのだという事を、私も色々な方から教わりました。

 もう仕事人間が素晴らしいという時代は終わったのではないでしょうか。家族を放って、ただがむしゃらに仕事をすることが美学みたいなことはナンセンスだと思います。もっと頭を使って工夫をすることで、バランスの良い幸せな人生が送れるのではないかと思います。

 私も様々な試練が沢山ありましたが、先々に手を打っていたおかげでなんとか生き延びられています。私自身が実践してきた中で、未来に手を打つ・種を蒔くということを是非お勧めしたいと思います。そうすることで沢山の余裕が生まれ、人間のあるべき幸せに繋がっていくのではないかと思います。ご参考になればと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道