現金ビジネス - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.144  2011年 12月号

現金ビジネス

今回は、「現金ビジネス」というテーマでお話します。

 東日本大震災やヨーロッパ債務危機・円高など、立て続けに色々な事が起きています。最近では上海など中国で不動産が売れ残って来ていますが、以前、私が東洋の国を訪問した時に、一般の方が家を買えないということを耳にしていましたので、昔の日本と同じようにバブルが起きていたと感じました。

 色々な事が連鎖していますが、世界中で実体経済とは違う金融システムが膨大に広がり、そのシステム自体が壊れつつあるのではないかと思っています。非常に奇奇怪怪として動きが分かりづらいですが、今まで金融に頼り過ぎた分が崩壊しつつあるのかも知れません。

 日本はまだ銀行にお金がある方なのですが、お金を出す機関は慎重になり、差別化がかなり進んで行くのではないかと思います。今までの傾向として、世の中が少しおかしくなると、金融は一気に締まります。金融頼みの商売をしていると色々と振り回されますし、非常にリスキーだと思います。今は現金を持ち、その中でビジネスを行っていくことがとても大事なことだと思っています。

 色々な事が一気に起こるということの感覚は、日本人には受け入れ難いようだと感じています。例えば、少子化は徐々に来ると思われていますが、たくさん食べたり物を買う若い人が減って行く訳なので、その影響は急速にやって来る可能性があります。

 当社もストレージに絞ったストック型のビジネスに切り替えられたお陰で、現金も貯まり始め、キャッシュフロー経営が出来て来ていますが、安心は出来ないと思っています。ニーズが一気に変わる可能性もありますし、例えば、今までBランクとしていた拠点がCランクになることも考えられます。今からより良い商品にしておくことが非常に必要な時であると思います。

   不動産においては動きが鈍くなっており、新築物件の値引きも始まっています。このような中では、不動産を手放さなければならないところも出て来ますので、更に不動産が下がる傾向にあると思います。

   不動産業界は、借入れをして、買ったり売ったりして会社を大きくする商売をして、毎回痛い目にあってつぶれたり、危機を乗り越えたりを繰り返しています。今は借金を減らしながら現金を蓄えておく形態にしておかないと、いざという時に役に立つのは現金でしかないと思います。本当に身の丈に合ったビジネスの方法を取り入れていく必要があると思います。

政情不安だけでなく、様々な事象が起こり得ると思います。そうした中で、今までの経済や民主主義のあり方、また人の生き方までもが問われる時代を迎えている気がします。ある意味では、より正しくなるきっかけになるのではないかと思っています。正しい考え方でビジネスを行いながら、この時代を乗り切って行きたいと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道