不動産の見方 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.155  2012年 11月号

不動産の見方

 今回は、「不動産の見方」というテーマでお話します。

 当社では事業の一つとしてビルや店舗の売買も行っていますが、最近は適正賃料でなかったり、利回りが低くかったりと、良い物件が非常に少なくなってきていると感じています。これは中国経済の先行きの懸念等で様子見の傾向が強くなってきていて、不動産に関しても、世の中がより慎重になり始めているからだと思います。

 それに加え、物件を購入する方の見る目が肥えてきて、半分プロのようになってきていると感じます。以前から感じていましたが、不動産の目利きが非常に重要になってくる時代が来たと思います。例えば、道路を挟んで右側と左側では物件の価値が異なるし、一本道を入ると景観が変わるので、それに伴い物件の価値も変わってきます。そこで必要となるのが購入する前の調査になります。当社でもその地域において入居で埋まっている区域、埋まってない区域も含めてシビアな見方と判断で細かく徹底的に物件を調査しています。

 もう一つ私が常々大事だと思っているのは、商品や物件を自分が欲しいと思うか、自分にお金があったら買いたいと思うかという感性です。当社の事業であるストレージや貸会議室、SOHOの出店等に関してもこの感性をとても大事にしております。極端に言ってしまうと、自分が欲しいと思わなければ検討する必要もないということです。それは買う方も借りる方も基本的にはプロではない、一般の方ですので、“ここなら良いな”、“借りたいな”という感性で検討していることが多いからです。
 このようにお客様の感じ方を大切にするという考えがしっかりとしていれば、結果的にお客様思いの会社や商品に繋がっていくのだと思います。

 また、昔から「利は元にあり」と言う言葉があります。これは利益は上手な仕入れから生まれてくるという意味です。しかし最近では儲かるから、利益が多そうだからという観点で仕入れ等を行い、利益重視型の傾向が見られます。
 しかし、社員と接してみると、きちんとお客様志向の考え方を持っています。なぜなら彼らも色々な物を食べ、色々な物を買っていて、様々な場面でお客様になっているからです。お客様になった時は気に入らないから不満だとか、値段が高い、安いというようにお客様の目線で判断していると思います。ところが会社にいると、稼ぐことや利益を出すことを強いられる場面が多くなるので、お客様志向の考え方が薄れてしまいます。もちろん会社ですので、利益を全て無視することは出来ません。しかし、その物件に対して感じることを第一優先として考えなければならないと思っています。

 先ほど述べた目利きが重要です。ただし目利きは長年の経験とは関係ありません。自分が今までお客様の立場で感じたことを仕事の中で活用することが大切になります。その上で細かく調査を行うことで、本当のプロになれるのです。

 そして、お客様に喜んで頂く、満足して頂く為には、自分が納得したことをやらないといけないと思います。そうした考え方を重視して経営をしていくと、社員達も納得して仕事に取り組むことが出来、やりがいを感じることが出来ます。お客様に対してちゃんと、「私はおすすめ出来ない、良いと思わない」と言ってあげられる人が本当に良い営業マンです。本当にお客様のことを考えているのなら、自分が納得出来ない、良いと思わない物をお客様に提供しないものです。

 私はこの考え方が正しいという自負を持っています。そして、これからもこの考えで経営していきたいと思っています。宜しければ、皆様も参考にして頂ければと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道