皆が思っている時は起らない - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.161  2013年 05月号

皆が思っている時は起らない

 今回は、「皆が思っている時は起らない」というテーマでお話します。

 例えば、関東大震災は数十年間、ずっと起きるだろうと言われていますが実際には起きていません。しかし、その間に予測されていなかった、阪神淡路大震災や東日本大震災が起こりました。
 つまり皆が心配している時は何も起きないけれど、全く考えていなかった時に限って、何か問題が起こるように感じます。

 私の経験においても、仕事や日常生活で上手く行きそうだなと安心した瞬間に、急に駄目になってしまう等、あらゆる面で何か落とし穴があるように感じます。要するに人間は絶えず安心したり、驕ったりしてはいけないということだと思います。
 自分に何が起こるか分からない、だからこそ備えや準備をしながら前に進む必要があります。そのように心掛けるときちんと結果が出ますし、失敗も避けられます。もちろん失敗することもありますが、それは反省して次に繋げれば問題ありません。

 最近、景気の上昇により世の中が浮かれ始めている気がします。私はこういう時にこそ、社内整備や社員教育により力を入れる必要があると思っています。当社では無理をせず、きちんと足元を見るように徹底しています。特に不動産業界に見受けられますが、すぐに上手い話に飛び付いては大変な思いをし、当事者が変わる為にまた別の人が同じことをする、という繰り返しを何度もしている場合があります。

 実際、私も人生の中で3、4回荒波を味わっています。とても辛い思いもしましたが、その中で色々と学ぶことも出来ました。人によって荒波はあると思いますが、私の場合はそれを人のせいにしなかったことが、非常に良かったのだと思います。おおかたの人は社会や人のせいだと言いますが、私は自分の何が悪かったのだろうと考えました。皆さんの周りにある問題も、自分の考えの甘さから起こることが多くあると思います。やはり、基本的に人のせいにしないということが大切だと感じています。

 絶えず自分を振り返りながら謙虚に、日々切磋琢磨していくことが大切です。自分を叱咤しながら驕ることなく、コツコツと努力していく。このことが人間を成長させると共に、幸せにも繋がると思います。

 私には日課が何個もあり、時にはやりたくない日や怠けてしまいそうな日もあります。しかし毎日コツコツやることで、日々変わって来ているように感じます。またそれが、お金を儲ける喜びではなく、人を育てる喜びやお客様、社員、社員の家族からも素晴らしいと思われるような会社を作りたいと、真剣に思えることに繋がっています。そう思えることはとても幸せなことですし、それに対する努力は惜しみなく出来ます。そして、世の中に見本となるような会社、考え方、生き方を目指して行きたいと考えています。

 やはり人生は素晴らしいものです。その人生の素晴らしさは楽をすることではなく、日々の努力から生まれます。今回の話が皆さんの参考になればと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道