今後の不動産の動き - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.164  2013年 08月号

今後の不動産の動き

 今回は、「今後の不動産の動き」というテーマでお話します。

 現状の不動産業界は非常に活況を呈しています。多くの業者に銀行が融資するようになり、買える力が付いて来た為、分譲の新築住宅から中古マンションや収益不動産の売れ行きが良く、品薄状態になっています。売りに出せばすぐ買い手がつくことから、売り手の希望価格を出し易くなっています。

 以前にもお話しましたが、良い物件が買い難い状況の中で大切なことは、古いけれど手を加えれば数段良くなる物件、そして利回りが高い物件に目を付けることです。他とは違う目線で物件を見ることと、スピードを重視して購入することが大切です。しかし、土地や建物、テナントの賃料など相場から外れている物件は注意する必要があります。加えて今の段階で利回りが良くても下がる可能性がありますので、適正賃料について絶えず比較しなければなりません。物件の特色を出す必要がありますし、使い易さなどハード面の改良も大切だと思います。

 また今後の傾向として、空きビルや倉庫などが増えていくと思います。弊社は物件の空き情報を上手く利用して、物件をストレージに加工し展開するビジネスも考えています。いつも世の中の動きを見て、今必要としなくても再利用や使用方法を変えて価値を生み出す、言い換えれば、価値観を変えられるといったノウハウを持っていないと、これからの不動産業で継続的に成長して行くのは困難だと思います。

 不動産業というのは資金力、銀行からの信用力がないと難しい事業です。弊社はストレージというゆるぎない基盤・キャッシュフローを生み出す事業がある中で、不動産の販売・保有を行っています。今は資金力があるので、早急に購入まで取り付けることが出来ます。

 今、不動産業は儲かる時期だと言われていますが、儲けの先には失敗が潜んでいます。つまり不動産業界で生き残るには、購入したらすぐ手を加えて、付加価値を付けて売却する、ということをどこにも負けないスピードで実施することが重要であり、在庫が少ない状況になった時の為に、資金力や銀行からの信用力を築くことが必要だということです。現在のような状況下では資金力等の準備をして力を蓄え、時期が来たらすぐ動けるようにしておかなければならないと考えています。

 不動産業は市場の動向を読みながら、方向性をきちんと考え明確にすれば、規模も拡大出来る素晴らしい事業だと思います。ただ世の中の変化を見誤ると、取り返しがつかない事態になってしまいますので、常に起こり得る変化を想定しながら事業を行うことが必要だと感じます。

 当社では、欲しいと思う物件以外は検討しないということを意識しています。もちろん相場が見合っているかは調べますが、まずは儲かるかの基準ではなく、欲しいと思うかを重要視しています。ただ、社員も数字や成績を追いますので、儲けを重視してしまうことをどう抑えていくかが大事だと思います。

 世の中の動きに一喜一憂されず、堅実な経営をして頂ければと思います。今は次のチャンスを活かすために体力を付けておく時期ですので、是非、今回の話を皆さんの参考にして頂ければと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道