2014年の展望 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.170  2014年 02月号

2014年の展望

 今回は、「2014年の展望」というテーマでお話します。

 昨年の不動産業界を振り返ると、多くの業者に銀行が融資するようになった為、非常に活況を呈したように感じます。
 しかし、東日本大震災後の復興事業やオリンピック開催決定により、非常に建設費用が上がり始めています。場所によっては30%から40%の上昇となっており、今後に陰りが見えるように感じます。建売住宅や分譲マンションを含め、建設業の需要が増えたことにより、土地を高値で購入出来ないという現状があります。
 また、海外からの投資家も増加し、億ションや海岸沿いなど高値の物件が売れています。一方、安い中古物件も売れており二極化した状況です。それに加えレジデンスやビルなどの収益不動産も商品が少なくなっています。つまり、高値でも良い物件や、安価な物件であれば売れる環境にありますが、現状は良い物件は少なくなっています。

 今年は消費税増税の為、3月迄が一つの節目となり、4月以降に新しい展開になると予想されます。増税により日銀がより金融緩和をせざるを得なくなります。そうなると資金がダブつく為、資産家の方々は収益不動産を安い金利で購入することが出来るようになります。
 その為、良い物件があれば、収益不動産の価値は下がらないと思います。ただし、現状では収益不動産も東京圏から地方へ広がりましたが、今後は除々に地方が厳しくなり、最終的には関東圏、東京圏がメインになってくる可能性が考えられます。

 また賃貸物件に関しては容積率の規制緩和により、特に都心で古くなったビルの建て直しやリニューアルが増えて来ると思います。しかし、以前よりも室数は増えますが人口は減少傾向にある為、当然賃料が下がります。そして古いビルの需要が減っていく為、今後は空きビル対策が重要となります。この様な状況でも当社は、ストレージ事業や貸会議室事業で今後も活躍出来ると考えています。

 私は常に最悪のことを考えながら経営することを心掛けていますので、今は物件を売って現金を蓄える時期だと考えており、今年は「無借金経営」をテーマとしています。以前にもお話しましたが、減価償却を上手く利用しキャッシュフロー経営を行うことで健全な財務体質を築くことが出来ます。またストック型経営で確実に利益を得ることで、更に手堅い経営を行うことが出来ます。
更にもう一つ、売上に対して10%以上の経常利益を出すことをテーマとしています。これは一つの目安ですが、業界に関係なく10%以上の経常利益を出している会社は、非常に財務体質が良いと思います。やはり売上だけ高くても利益が低い会社は競争が激しいし、利益が上がり難い業種だと考えています。

 そして当社では、「社員と家族が幸せになる会社」、「お客様・関係会社様がファンになる会社」、「感動を与えられる会社」、「実力で評価する会社」、「100年成長企業」という5つの項目を挙げて「未来型理想企業」を目指しています。
未来型企業になると、休みが多く、給与も高く、仕事の密度が濃いかわりに残業が無い会社となります。また社員が本当に会社を愛し、社員の家族からも認められる会社が理想だと思っています。
 当社では「未来型理想企業」に向かって日々精進しておりますので、皆様にもその成長を見届けて頂けると幸いです。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道