今後の不動産動向 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.176  2014年 08月号

今後の不動産動向

 今回は、「今後の不動産動向」というテーマでお話いたします。

 ほとんどの不動産会社は、金融が緩和されると資金を借入れ、それを元に物件の売り買いを行い急成長していきます。しかし当然、収益物件の利回りが限界に来ると物件が売れなくなり、金融が厳しくなると投げ売りが始まります。そして多くの会社が潰れていく、ということを過去何度も繰り返しています。

 今は金融が緩和されていて物件が売れていますが、徐々に利回りが厳しくなって来ている状態だと思います。顕著に表れているのが、郊外の建売住宅や都心の分譲マンションです。建設費が値上がりした為、土地もこれ以上は値上げ出来ない状態となっています。

 海外の投資家から見ると東南アジアの各都市と比べて、日本、特に東京近辺は割安な為、狙い目とされています。あわせて、低金利であることも要因となっています。例えば利回りが4%であったとしても、金利が1%だと3%分が浮くことになります。国債金利も上げられない、非常にリスキーな状態で低金利が続くことになると、利回りより金利が1%でも低ければ、取り敢えず購入することが起こりうる可能性もあります。それから海外の投資家がもっと来て、下支えとなる可能性もあります。

 今はいつか暴落することを見越して、不動産を売却し資金をプールしておくことが大切です。いつ暴落するかはっきりとは分かりません。しかし、不動産会社等に融資している資金額もピークに来ていますし、物件の在庫も徐々に増えているので、早ければ今年の末から来年にかけてだと私は読んでいます。
 またオリンピックも一つのポイントとなっていて、オリンピック後には何か問題が必ず起きると思っています。

 このような状況の中で出来ることは、チャンスを待つことだと思います。当社はストレージ事業を始めとする、ストック事業を行っているのでチャンスを待つ余力があります。それに加え、最近は「底地」の売買という非常に手堅いビジネスも行っています。
 また貸ロッカーや駅から遠い土地の有効活用という新しい企画も考えています。将来的に人口が減少していく為、マンションやアパートの建築も減りますし、駅から遠い土地はどんどん使い道が無くなっていきます。だからこそ当社は、駅から遠い土地を安く仕入れ、ストレージだけでなく色々な形で活用していきたいと考えています。
 一口に不動産業と言っても様々な形の商品が作れますし、色々な活用が出来るからこそ、非常に良いビジネスだと思っています。不動産業も、時代の変化に対応する力やその方法があるのだと思います。要するに、困っているところにこそチャンスがあるのです。ビルが空いていくから、駅から遠い土地の活用が減るからトランクルームが出来る、というように困っているところに提案をすると喜んで下さる方が多くいらっしゃいます。

 困っている方は何とか解決したいと考えているので、人の話に耳を傾けます。だからこそビジネスが成り立つのだと思います。今後、活用に困った全ての土地や不動産がビジネスに繋がると考えています。

 今回は、今後の不動産の動向についてお話させて頂きましたが、チャンスの作り方やチャンスはどういうところにあるのか、ということについて参考にして頂ければと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道