実践愚直 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

  1. HOME
  2. >
  3. 時代を読む

VOL.187  2015年 07月号

実践愚直

今回は「実践、愚直」というテーマでお話しいたします。
 一般的には才能の有無が仕事ぶりにも表れると思われていますが、私は素直さや継続する力こそが素晴らしい仕事に繋がるものだと考えています。才能のある人よりも素直に確実に進化を遂げる人を好ましく思います。
 当社では、予習をして仕事に臨む「エリアリンクマスター」という社内資格制度や業務改善と効率化を推進する「目的明確ワープ化シート」、些細な改善提案も公平に評価する「チップ制」など、様々な仕組みを通じて、少数精鋭の組織を目指した従業員教育を行っています。こういった仕組みのもとでは、人によってスピードは違いますが、素直に、そして愚直に継続できる人ほど伸びていくことが分かり、頼もしい手応えを感じています。弁が立つ人や柔軟に対応できる人は一見、仕事ができるようにみえるかもしれません。しかし、基本がしっかりしていないと当社のような会社では活躍できないものです。驕らず、素直に、そして愚直に実践し、仕事を進化させていく人が「本物」になって活躍しています。
 中途の人材採用に対する意識も変わり、力がある人、放っておいても伸びる人よりも、愚直に、真面目にやっていける人が当社のような風土にはあっていると思うようになりました。もちろん、いじけている人はだめです。たとえ現職で評価されていないとしても、うまくいかないことを他人のせいにせず、人に自慢できるような趣味や資格の勉強などをきちんと継続している人は、当社のエリアリンクマスターなどの取り組みを通じてしっかりと力をつけ、ぐんぐん伸びていけると思います。
 また、真のキャリアアップとは転職を繰り返して叶えることではなく、人間力を育むことで叶うことだと思っています。人間力は仕事をする上で周りとの協力体制や信頼関係を育むことに不可欠な能力です。そして、人間力を高めるには、愚直に物事に取り組むことが、最も重要なプロセスなのです。実際に、前職での評価があまり恵まれていなかった人でも、当社に入社してから愚直な姿勢でじっくりと人間力を育み、時間が経つほどに活躍の場を広げていくケースがあります。経営者としても、当社への入社がきっかけとなり、そういった成長ぶりを見せてもらえることは純粋に嬉しいものです。
 当社は社内からも社外からも「イヤな人がいない」といわれることが多いです。それは他人を出し抜こうとか、自分だけ得をしようといった気持ちを持った人が少ないということではないかと思います。愚直な人はいつも一生懸命ですので、周りも自然と応援したくなるものです。愚直な社員が増えると社内の雰囲気も変わることを実感しています。
 会社を設立して以来、ずっと人を育てる仕組みを模索してきました。教育制度や研修制度を整えている企業はたくさんありますが、座学では身に着くことも限られると思います。何事もやってみないとわからないものです。そこで当社の教育制度は実践的であることを意識しています。実際に環境整備やエリアリンクマスター、泊まり込み研修など、様々な「実践できる」仕組みを取り入れてきました。愚直に実践すれば、「普通の人」「目立たない人」でも確実に成長できるチャンスを得られるはずだと思い、実践にこだわって仕組みを取り入れてきたのです。ここ最近の従業員たちの成長ぶりをみて、実践を伴う教育制度に大きな手応えを感じています。やはり、究極の従業員教育とは、しっかりと愚直に継続できる人が成長して成果を上げられるような仕組みを作ることなのではないかと考えています。
 私は10年後、従業員200人で経常利益100億という高い目標を、天才ではなくごく普通の、しかし、実践を愚直に継続できる従業員たちと達成していきたいと思っています。愚直という言葉は少し時代遅れに聞こえるかもしれませんが、今日よりも明日、今月よりも来月、今年よりも来年と日々、進化を遂げるためには、愚直であること、実践し続けることが不可欠です。さまざまな取り組みはまだ道半ばですが「実践、愚直」をキーワードにこれからも経営者として従業員の成長、さらには会社の成長につながる戦略を継続していきたいと思います。参考にしていただけますと幸いです。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道