当社の仕組み(社内用ほんの発刊) - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.194  2016年 02月号

当社の仕組み(社内用ほんの発刊)

今回は「当社の仕組み(社内用 本の発刊)」というテーマでお話します。
  2015年12月25日、エリアリンクで実施している様々な社内制度・仕組みを紹介する社内向けの本が完成しました。タイトルは「実践 愚直は一流に勝つ!進化1」。昨年の夏、入社2年目、3年目、10年目の3人の女性従業員を抜擢して、プロジェクトとして進めてきた企画です。社歴も部署も異なる3人だからこそ、社員の目線をバランスよく盛り込むことができており、外部の編集者では決して作れない本に仕上がっています。
  このような社内向けの本を作ろうと思ったきっかけは、様々な社内制度や取り組みは、主にこの5〜6年の間に導入したため、特に入社して日の浅い従業員は、過去からの経緯などを知らない分、真の目的や狙いを捉えにくいということに危機感を感じたからです。目的や狙いが分からなければ、実践したとしても、ただ「厳しい」「辛い」「面倒」と感じるだけですし、その効果は半減することでしょう。制度や仕組みの狙いと、従業員の実践度合のギャップをうまく埋めるには、今回の本のようにしっかりと伝えることができるツールがぴったりだと思ったのです。
  今のエリアリンクをみると、社歴が10年を超える従業員は口を揃えて「以前とはまるで違う会社だ」と言います。この変化の根底には、リーマンショック後の経営状況の厳しい時期を経て、経営が徐々に安定してきた2010年頃より、私自身がこれからのエリアリンクのため「社員とその家族が幸せになる会社」を目指そうと、強く考えるようになったことが原点にあります。もちろん、企業である以上、利益も重要なのですが、利益ばかりを重視すると、先般のバス事故のような痛ましい悲劇さえも引き起こしかねません。「社員とその家族が幸せになる会社」だけが、何十年、何百年も続く、社会に必要とされる会社になれると思ったのです。こういったターニングポイントを経て、私も人材教育に力を入れるようになり、理念や未来型理想企業5箇条などに象徴されるエリアリンクが目指す姿を実現するため、30以上の社内制度・仕組みを、5〜6年をかけて徐々に導入してきました。
  現在では、嬉しいことにその効果が様々なところに現れてきています。過去には、会社に泊まり込んで仕事をこなす社員もいたほどの状況でしたが、業務効率化を進めた結果、19時退社の原則も徹底されてきており、残業も大幅に減りました。また、テストラン段階ではありますが、10日以上の夏休み・冬休みを設け、それぞれが家族との時間をゆっくり持てるようにもしています。何より、従業員たちの成長ぶりに驚かされます。私自身、人はこんなにも変われるものかと感じる場面もあるほどで、自律的にいきいきと働いている姿を見るたび、リーマンショック後、徹底した人材教育に舵をきった判断は正しかったと感じています。
  本来、日本企業の良い点は、グローバル企業のように流動的に人材を雇用するのではなく、企業と従業員が共存共栄のパートナーとして共に成長していく環境があったということだと思います。実際に、当社でも中長期的に進めてきた人材教育の成果が基盤にあるからこそ、業績も安定的に伸びています。これからのエリアリンクの成長のエンジンは間違いなく「人材」であると確信しています。
  創業20年を迎えるにあたり、次のステップとして今年から独立採算制を本格的に開始しました。また既に導入している様々な取り組み・仕組みにも磨きをかけて更なる進化を遂げられるよう、新たな覚悟で進めていきたいと思います。今回ご紹介した「実践 愚直は一流に勝つ!進化1」も今後、「進化2」、「進化3」と当社の進化に応じて、巻を重ねていく構想です。まだまだ道半ばではありますが、企業もそこで働く人材も、共に成長できる経営を目指してまいります。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道