日本型企業モデルの限界 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.215  2017年 11月号

日本型企業モデルの限界

今回は、日本型の企業モデルは世界の潮流から考えると遅れている、というテーマでお話しいたします。日本型の経営モデルは、1970年代から80年代の高度経済成長を支えました。いわゆる年功序列や終身雇用、企業別組合制度の「三種の神器」が日本独自の経営システムとされています。
 最近の新聞・雑誌を見ると、大手企業による不祥事の記事が連日のように目にとまります。これは、サラリーマン社会で、会社・上司に逆らえない、納期や利益を守らないといけない、という事を意識するあまり、多少のことは、と、不正に目を背けた結果の積み重ねではないか、と考えています。従順であるという言い方もできますが、悪い言い方をすれば誠実さに欠ける行為です。現代においては、会社の規模や知名度にかかわらず、その会社の組織形態によって、問題が起きてしまうと早期に危機的な状況に陥るケースがあると思います。
 当社が考える理想の組織を実現する一つとして実力主義という考え方があります。実力主義とは、やる気があり、結果を出す人がさらにやる気になるような評価体系、休日を付与することです。やる気があり、結果を出す人は休日を活用して、自己啓発や、仕事の準備もし、頭を使って色々と仕事のことを考えます。実力主義を徹底するためには、最終的にはタイムマネジメント、タスクマネジメントが重要なのです。当社は仕事の全てにおいて進化していく必要があると考えており、PDCAを繰り返し、採点し、改善し、また繰り返すことで進化を加速させています。外注先についても、ただ仕事を投げるのではなく、絶えず課題を与え進化させ続けていく進化外注とする必要があるのです。
 人材を採用するうえでも、夢や希望を持った優秀な人を採用しその人が活躍する環境を整えたいと考えています。それには、やはり給与と休日は大事です。極端に言えば、今、人間が求めているのはお金と自由だけと言っても良いかも知れません。付け加えれば、人は管理されたくない、と思っているはずです。こういった認識から、当社では他人に管理されるのではなく、自分で自分を管理する方法を体系化して教えています。自分で自分を管理し結果を出すことが一番素晴らしいことなのです。ただ、「頑張れ」や「やっとけ」ではダメで、このような仕組みをしっかりと教えないと、難しいと思います。物の考え方、捉え方、予習の仕方、反省の仕方、次のステップへの移行と実行方法、こういった重要なことを見える化していない会社が多いと考えています。
 今、世界で伸びているGoogleやAmazonは、自分で自分を管理でき、かつ自由発想の人たちが集まっています。自由に発想し、自由に自分で考え実行するという風土が、その人たちの能力をより一層引き上げているのです。
 ただし、日本的な良さである家族的なまとまりは大事にしていくべきです。当社では従業員の家族も参加する家族会の実施、さらに保養所を熱海と軽井沢の2か所持つことで皆が集まれる場所を提供し、また社内では決起会やキックオフ、私の仕事に対する考え方を教本化して学習する、教本大会を行うことで社員たちが共有する場を意識的に設けています。
 ITが発達した現在において、インターネットで何でも見ることができ、買うことができる時代となり、気が付かないうちに身近にあった有人店舗が閉店していくことも起きています。そのような社会になっていることに早く気付かないと、変えようと思っても中々変えられないまま傾いていく会社がたくさん出てくるでしょう。大手になればなる程、その要素を含んでいるのではないでしょうか。
 当社もまだまだではありますが、皆様のお役に立つことができればと思っております。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道