未来型理想企業を目指して - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.191  2015年 11月号

未来型理想企業を目指して

今回は「未来型理想企業を目指して」というテーマでお話します。 
 現在、エリアリンクでは自社の社内制度や仕組みを紹介する本を作っています。従業員はもとより、対外的に新卒採用や中途採用に活用し、読んでもらうことで、エリアリンクの考え方やビジョンを理解し、共感する人を増やしていきたいと考えています。仮の題名は「愚直は一流に勝つ」。エリアリンクでは、エリアリンクマスターを筆頭に、大きなものから小さなものまで30以上の社内制度や取り組みを設け、従業員のやる気アップや成長を促していますが、それらを愚直に実践すれば、一般的に「一流」といわれる人材にも勝てる実力がつくということを示したタイトルです。3名の従業員でプロジェクトを組み、彼女たちが主体になって、年内の発行を目指して進行しています。
 この本を作ることにしたきっかけは、様々な社内制度や取り組みは、主にこの4〜5年の間に導入したため、特にリーマンショック後に入社した従業員は、過去からの経緯などを知らない分、真の目的や狙いも伝わりにくいということに、危機感を感じたからです。
 現在のエリアリンクのように、従業員の成長を促すため、様々な制度や取り組みを導入するようになったのは、リーマンショックの試練を乗り越えた後、ある日、ふと、自分のターニングポイントになるような気付きを得たことに端を発します。その頃の話をすると、今でこそ実質的な無借金経営となりましたが、リーマンショック後には、ピーク時、有利子負債も約280億円あり、銀行へ返済のリスケ交渉をしたり、不採算事業を整理したり、経営者として経験したことのない苦労が多い時期が続きました。この試練を乗り越え、業績が徐々に安定してきた2010年ごろのことです。ある日、車で移動していた時、ふと「このまま会社が続き、儲かることに何の意味があるのか?」「社員が幸せになる会社を作ったらどうだ?」という声が聞こえたような気がしたのです。神様や宗教的なものを信じているわけではありませんが、この言葉をきっかけに目が覚めるような思いをし、「社員と社員の家族が幸せになる会社」を目指すことを決意しました。
 当時のエリアリンクからは考えられないような理想像を実現するためには、社内改革が不可欠でした。それゆえ、まず全社員を集め、このビジョンを伝えることにしました。同時に未来型理想企業5箇条として、?社員と家族が幸せになる会社?社員・家族・関係者様(オーナー様・取引会社様・株主様)が全員ファンになる会社?感動を与えられる会社?年齢・性別・国籍に関係なく実力で評価する会社?100年成長企業という、今でも私たちの理想像として大切にしているビジョンを明確に定めました。
 これらのビジョンの実現のためまず注力したのは、考える人材を育成するための施策である「前倒しの仕事術」の浸透です。まずエリアリンクマスター制度を作り、一人一人が予習をして仕事に臨むことを仕組み化しました。また会社全体としては前倒し年間スケジュールを定め、1年を3つの期間に分けることで、1〜6月の上期で全体の6〜7割の実績をあげられるようにしたのです。これらの前倒しの取り組みが、時間的な余裕を生みだし、それぞれが未来のことに目を向けて、考えるという習慣を身につけるきっかけとなりました。
 またやる気アップの秘策として、誰もが持つ「評価されたいという心理」を考慮して、従業員がきちんと評価されるようにしました。今では、年2回、評価会議とキックオフを開催しています。評価会議では、全社員の半期の実績が各所属長からプレゼンされ、膝を突き合わせて役員と各所属長がしっかりと議論します。また、評価会議で決めた昇給・昇格などの評価についても、本人が納得していなければ、意味がありません。評価会議後の上長からのフィードバックに対して、自身の納得度を書き入れる欄を設け、それぞれのやる気につながるような評価制度を目指しています。キックオフも、毎回、立派な会場で開催しています。ここではビジョンの共有を目的に経営陣からのプレゼンもありますが、評価会議での評価も踏まえ、優秀な実績を残した従業員を表彰する場を設けています。優秀な実績を残した従業員をあらゆる角度からきちんと評価する場を設けることで、モチベーションアップを図っています。
 ここでご紹介した内容は、未来型理想企業を実現するために始めた制度・取り組みのうちのごく一部です。まだまだ遠い道のりではありますが、この理想像の実現に向け、エリアリンクは一歩一歩、歩みを進め、また従業員も自己成長のための研鑽を欠かしません。真の未来型理想企業になったとき、本当に素晴らしい会社になると思います。そして、そんな企業が日本を変えていくと信じています。これから積み重ねる私たちの実体験や、制作中の本を通じて、他の企業の手本にもなれる、ということを示していきたいと考えています。

【制度・取組みのご紹介 ※一部抜粋 】
エリアリンクマスター ・ 目的明確ワープ化シート ・ チップ制 ・ 環境整備 ・ ?シート ・ 未来ノート ・ コミュニケーション&ビジョン費 ・ 泊り込み研修 ・ キックオフ ・ 親和会 ・ 誕生日会 ・  部署目標達成会 ・ 現場食事会 ・ 社員旅行 ・ Re:熱海(研修所 兼 保養所) 他

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道