不況長期化対策 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.121  2010年 01月号

不況長期化対策

   今回は、「不況長期化対策」というテーマでお話します。

    経済不況が金融・不動産・建設業界だけではなく、全業種に及んで来ました。なんとなく小康状態のところや少しは持ち直したところも出て来ているとは思いますが、二番底の気配もありますし、不況の長期化という見方が正しいと思います。

   この時代を読むでも何度かお話しましたが、我々は2年以上前からコストカットをし続け、銀行交渉や現場一つ一つの見直しをし、財務体質を変えて増資も行い、キャッシュフローもプラスになって来ました。皆さんも色々な対策を行っていると思いますが、一息つきたいなと思った時からが重要だと思うのです。

   私は半年前に、決意を新たにする為、ずっと飲んでいたお酒をやめました。私の知り合いからすれば信じ難いことだと思います。なにか代償を払って自分を変えていこうと考えました。そして今は、本当にお客様が満足しているか、満足している商品か、喜ばれているサービスが出来ているか、上司は部下の方を向いているか、社員は本当に満足しているか、ということを日々問いながら改革の連続をしています。

  今こそ社員教育に力を入れるべきだと思い、現在、朝30分の営業社員研修を毎日行っています。日曜日には一緒に現場を見に行って、その後また研修をしています。女性社員の研修も行い、60歳以上の方を雇用し、出店エリアの業者廻りやお客様フォローの研修も始めました。

   当然、社長業をやるのは当たり前ですが、その上で実地研修の筆頭役として若い社員も見ています。私は育てるという言葉を使わないようにしていますが、彼らが変わるきっかけ、やる気になるきっかけを与え、同時にその環境を作っています。

  そこで気付いたことも沢山あります。若い社員・現場に近い社員は、こんなにもお客様のことを考えているんだと。ですから、私は「お客様のことを考える会社でいいんだよ、お客様が本当に満足することを徹底的に考えてみろ、絶対にいい会社になるから」と、腹の底から言えるようになりました。

  この半年を通して、社員がどんどんやる気になって変わっていくこと、お客様に喜んで頂くということが、人生にとって最高なんだと心底思い始めました。情けない話ですが、この歳になって気付きました。 本当は毎日お酒を飲みたいなと思っています。たばこと違って、お酒はやめたら慣れるということはないです。ただ、こういう気持ちになれたことを失いたくないので日々飲まないように努力をしています。

   今回は「不況長期化対策」というテーマでお話していますが、今大事なことは、経営者が変わることだと思います。この厳しい状況を、米国からの不況のせいだとか、政治政策のせいや力のない社員のせいだとか、いくらでも他のせいには出来ます。しかし、経営をする以上は全て自分の責任であると自覚し、どう考え方が変わるかが大事であると思います。

    私もただ必死に生きて来てこんな話をするのもおかしいですが、経営とは愛なのかもしれないと思います。お客様への愛・社員への愛だと。私の今までの人生には全く似合わない言葉かもしれませんが、そんな気がします。

  毎月この時代を読むへの感想をいくつか頂いており、こんなに読んで頂いているのかと非常に嬉しく思っています。これからもこの時代を読むを通じて皆様と接点を持ち続けて行きたいと思います。何か感じた時には、一言でいいですからメッセージを送って頂けると、続けることの励みとなりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道