近未来予測 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.123  2010年 03月号

近未来予測

   今回は「近未来予測」というテーマでお話します。  

  日本以外のアジアの国々では、購買意欲が上がって来ています。過去の日本にもあったように、ブランド品などの高級志向が出始め、家電・日用品などの消費が増えています。40億人という人口から考えると、これは大変なパワーになっていくと思います。 

  東洋の中で消費が拡大していけば、交通機関、特に飛行機の運賃が下がり、アメリカ国内やヨーロッパ諸国などのように移動がし易くなり、東洋が一つの集合体のようになるのではと思っています。国内を移動するかのように気楽に上海や香港に行けるようになると思います。  

   私自身、海外に行った際によく感じるのですが、ヨーロッパにしてもアメリカにしても、日本にあまり着目していないというか、日本の良さを分かっていないと思います。また残念なことに、日本人の中にもこの国の良さを自覚していない人が多いと思います。こんなに四季折々のものがあり、素晴らしい文化がある国はないと思います。伊勢神宮や京都・奈良にある建造物などをみても、長く文化の継承がなされています。

  この素晴らしい日本という国の良さを理解していくのは、日本人のみならず、これからは東洋や世界の富裕層になるのかも知れません。旬の味覚の豊富さ、ホスピタリティや交通機関の正確さ、衛生面での清潔さは海外と比べると断トツに優れています。  

  20年後30年後には、日本は住むのに最高の国だと海外に知れ渡っているかも知れません。そうして日本の良さに気付いた海外の富裕層が、日本に住み始めるのではと思っています。またそれに伴う労働者も流入し、国際結婚も増えると思います。そうなると、現在減っている日本の人口は、増えるとまでは言えないまでも、減らなくなる可能性はあります。  

   ただ、労働力に関して収入は低くなると思います。極端に言うと50歳代で年収200万円の人も増えて来るのではと思います。現状、製造業や外食産業でも外国人労働者の方が多数いますが、多少言葉が不自由でも労働のみなら成り立つ状況になっています。これから益々、得意分野・専門性を持った人達はそれなりに収入が上がると思いますが、得意分野を持たない人、受身で労働をしている人達の収入は下がっていくと思います。

  日本はどちらかというと宣伝やアピールが上手ではないですが、日本という国をきちんと表現出来れば、素晴らしい国として生き残っていくのではないかと思います。そういう意味では、東洋のマーケットの中にいる日本の未来は暗くないと思います。

   まだまだ不便さはありますが、もっと我々は東洋をまわって、このマーケットが世界の中でどう変化していくのか、その中で日本はどうなっていくのかを肌身に感じる必要があるのではないかと思います。そうしていけば未来が見えて来たり、自分達がやるべき事が見えて来るかも知れません。あくまで個人的な意見ですが、たまにはこういうスパンの長い話もしたいと思いました。長いと言っても10年後20年後だと思っています。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道