人生は上るか下るかしかない - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.217  2018年 01月号

人生は上るか下るかしかない

今回は、人生は上るか下るしかない、というテーマでお話しいたします。
 よく人は、現状維持といいますが、現状維持が一番難しいと思います。私は、エリアリンクの社員には、今後上っていくつもりか、下ってもよいのか、よく考えて仕事をしなさいと話しています。下ることは楽ですが、上がり続けるのは大変なことです。もっと言えば、世の中がどんどん進化するなかで、現状維持は退化、つまり下っていくということと、同じことではないでしょうか。
 仕事への取組みは、山登りに例えることができます。高い山を登ろうとする人もいれば、緩い丘を登る人もいるでしょうが、頂上を目指し、とにかく上っていくしかありません。上っていこうとすると当然負荷がかかりますが。この負荷で自分を切磋琢磨する人と、負荷から逃げて楽をしたいという人では、まったく違う人生になっていくであろうことは、皆さんも想像できると思います。
 将来に目を向けると、2050年には、世界の人口は約98億人に達するといわれています、現在の約1.3倍です。その時、インド、中国の二大国家が台頭していることでしょう。今でも、インド人は数字にもITにも強く、経営者としても世界に進出しています。
 一方で、労働はロボット化し、作業はAIが対応するなど、世の中は大きく変わっていきます。例えば、牛丼チェーン店などはボタン一つで注文から、盛り付け、配膳、片付けまで無人で行われる可能性があります。私は2022年位までにはこのようなことが実現されるのではないかと予想しています。労働はロボットに代替され、低賃金化していきます。その流れは、かなりの速さで進んでいきますので、われわれは、その変化のスピードを把握していないと、厳しい将来を迎えることになると思います。
 20数年前と比べると、携帯電話、駅の自動改札、電子マネーとすごい勢いで世の中は変わってきています。そのような時代の中で、皆さんはどのように活躍するのでしょうか。将来、平均寿命が延びる中で、国の社会保障に身を委ねるのか、それとも自力で上がっていくという覚悟を決めるのかによって、人生が異なったものになることは言うまでもありません。今ならまだ間に合うけれども、年齢を重ねてからでは、何かをしようとしてもどうにもならない、という可能性もあります。
 国連の2017年世界幸福度ランキングによると、1位がノルウェーで、3位までを北欧の国が占め、日本は51位です。ノルウェーは社会保障制度が充実しており、老後の心配も少ないという印象があります。私は、日本がそのような社会になるのは難しいでしょうし、世界的な競争に打ち勝つ国になることも難しいと考えています。日本人は勤勉でありすぎるためか、時間で働くという感覚が強いからです。世界に通用する人材になるためには、さらに自分の能力を向上させていかなければいけませんし、かなりの努力も必要です。そして時間で働くという概念を捨てる勇気も要ります。時間で働くのではなく、目的や結果のために働くということを強く意識していかないと、将来はないでしょう。山を上っていくと決めた人、現状維持でもよい人、それぞれの将来は、容易に予想ができます。やはり上っていくしかないのです。諦めて下るのは簡単ですが、諦めた人は、下った先にある将来を本当には想像していないのだと思います。
 上っていくということは、自分を高めていくということでもあり、また自分の器を大きくしていくことでもあります。絶えず自分に負荷をかけコツコツと努力し進化していくことで、より良い人生に近づいていくのです。結局、個人も企業も現状維持ではなく、上るか下るしかありません。私どもも、企業として上っていく、つまり時代が求める新しい技術、サービスの提供に、絶えずチャレンジしていきたいと思っています。皆さんのお手本になるようなエリアリンクを目指し、精進してまいりますので、どうぞご期待ください。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道