日本繁栄の30年 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.309  2025年 5月号

日本繁栄の30年

今月は日本繁栄の30年というお話をしたいと思います。

「失われた30年」という言葉を耳にするようになって久しいですが、私は、この先の30年は日本が大きく飛躍する時代になると考えています。常に変化し続けるのが経済の常です。同じ状況が永遠に続くことはありません。

日本は、長い歴史の中で、様々な分野において外国の文化や技術を取り入れ、独自の進化を遂げてきました。料理が身近で分かりやすい例だと言えるでしょう。その他にも、宗教、焼き物、茶道など、数え上げればきりがありません。日本人の繊細な感性と技術によって、これらの外来の要素はより洗練され、より素晴らしいものへと発展してきました。

過去の時代を読むでも申し上げている通り、私は、日本には他に類を見ない魅力があると感じています。四季がはっきりしており気候に恵まれていること、治安が良く安心して暮らせること、チップの習慣がなくとも隅々まで行き届いたサービスを受けられること、そして何よりも、日本人の穏やかな人柄。それらの良さについて、受け身であるとか、おとなし過ぎるなど、日本ではネガティブに表現されていることを見聞きするほうが多いですが、世界からみれば日本は稀有な魅力を放つ国となっているのです。

近年、日本の観光業は大きな盛り上がりを見せています。私は春と秋は京都に滞在しており、年々街の変化を観察しています。以前は中国を中心としたアジアからの観光客が多かったように思いますが、最近では世界中から人々が訪れるようになっており、日本の注目度の高まりを肌で感じています。物価の安さも後押しとなり、日本の人気はしばらく衰えることはないと思います。

日本人は、自国の持つ素晴らしさになかなか気づいていませんが、世界からの評価の高まりを目の当たりにし、近い将来、気づかざるを得ない状況になると思います。私自身、かねてから「こんなに良い国が他にあるだろうか」と思っていましたが、その思いはますます強くなっています。

ただし、この変化の過程において、1~2年ほどは経済的な変動や予期せぬ天災など、様々な要因によって社会が大きく揺れ動く可能性があると考えています。経営者として世の中の流れを注意深く見ている中で、そのような考えをもっています。個人的な話ですが、儲けるためではなく、リスクヘッジのために、実際に個人資産の構成も少し見直しました。これまでの経験から儲けのために行った投資は失敗することが多く、リスクヘッジのために行った投資は結果的に良い方向に働くことが多かったと感じています。

この激動の時期を乗り越えた先には、日本が世界から憧れられる存在になる未来が待っていると信じています。当然、個人の予想の域を出ない話ではありますが、様々な可能性を予見し備えること、明るいビジョンをもつことは、個人的にも経営者としても、今後も大事にしていきたいと思います。

今回の時代を読むが皆さまのお役に立ちましたら幸いです。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道