VOL.314 2025年 10月号
今回は、金融崩壊の予感をテーマにお話しします。
最近、世の中の経済の動きを不自然に感じています。株価が上がり世の中が明るく見える一方で、海外資本による日本の不動産購入が活発化し不動産価格はつり上がっています。さらに物価の上昇に対して所得の伸びは追いついていません。コロナ禍の最中に世界中で紙幣を刷り増した結果、貨幣価値が低下し、インフレを招いたことも関係していると見ています。理屈では説明できないのですが、こういった事象から、金融崩壊がいつ起こってもおかしくないという予感がしています。
宇宙を含む大自然の営みが、誰かが意図して定めたわけではないバランスの上に成り立っているように、人間社会においても不自然な状態が続けば、それを是正しようとする力が働くものだと考えています。今回予感している金融崩壊も、そのようなバランスを取り戻す作用として現れるのではないか、と私は捉えています。
もしこれが現実化すると、貨幣価値の低下や貧富の格差など様々な問題を起こすことになるでしょう。私たちは最悪の事態を想定して、会社でも個人でも準備をしておくべきだと思います。当社のビジネスモデルはそういった経済の大きな波による影響を受けにくいのですが、だからこそ日頃からリスク管理を徹底しています。オーナー様との協力体制をしっかりと築くことや集客の強化、そしてキャッシュを多く残しておくことで、不測の事態とそれを超えたあとの次のチャンスに備えることができます。
しかし、以前も触れましたが、金融崩壊が起きたとしてもそれは単なる不幸な出来事ということではなく、より良い世界を築くためのスタートになることだと捉えることもできます。明治維新を経て民主主義の基盤が築かれたように、大きな混乱の後には、より良い社会に向かった歴史が数多くあります。 金融崩壊は社会の不自然さを是正し、もっと人々が安心して暮らせる、より良い社会に向かっていくものになると思います。
私なりの見解なので、「こうした見方もあるのだ」と捉えていただき、皆様が思考を深める一つのきっかけとなれば幸いです。
今回の「時代を読む」が、皆様のお役に立ちましたら幸いです。