愚直さの重要性 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.65  2005年 05月号

愚直さの重要性

今回は、愚直さの重要性についてお話しします。私の事をご存知の方からすると、ちょっと結びつきにくいかもしれないテーマで、あまり自分の話をする事も得意ではないのですが、今回は自分にとって本当に大事だと思っている事を書かせていただきます。

お蔭様で2年前に上場させていただいて、これからもたくさん課題はあるのですが、業績も順調に推移させていただいています。それから少人数経営等もできていて、これらもスムーズにいっていますが、自分は大した事がないという、自分自身に対する戒めというか、謙虚さ、別の言葉で言えば愚直さというのがあって、なんとかここまでこられたのかなという感があります。

私自身は、愚直さというか、続けられる事にしか取柄がないという様に、自分に枠をはめています。事実、日々続けていることがたくさんあります。一番初めに始めた事は、朝4時前後に起き、社員の日報に返事を書く事です。これは海外出張しているときでも同じで、一時メールでやり取りした時代もあったのですが、メールであれば、ありがとうは単なるありがとうですし、だれがやっても同じ文章になってしまうので、筆ペンで書いています。その時の字の大きさなどで、褒めること、叱ったこと等、その時の字の勢いなどで、結構社員とのコミュニケーションがとれており、効果があがってきていると思います。

それが、10年以上も続いていますから、結構続けられる方だと思います。真向法というものもやっています。4つの型のストレッチなのですが、毎日続けています。それから、トイレ掃除を毎日手でやっています。これも長い年月やっています。それから、神棚に水をあげて、先祖に対して感謝をし、日々自分の夢を語り、その後、ゴルフの素振りをして、新聞を読み、半身浴をやり、読書をして、というのが、私の朝の日課なのですが、それに加えて、ある方からきいていい事だと思い、1ヶ月ほど前からはじめているのが、口に出して、ありがとうと1000回言う、という事です。さらに、車に乗ったときですが、英語の勉強をスタートしております。これもアメリカなど外国に行った際、会話をするのにも、自分の言葉で伝えられるというのは重要だと思っていて、始めました。

これらを愚直というのか、ただ続けるというのかは分かりませんけれども、自分がひとつ決めた事を続けられなくなったら、自分は駄目な人間になってしまうと思ってやっています。なぜか人は、ひとつの事が続かないことが多いようですが、別段それが苦痛であるとか、そういうことは無くて、ひとつひとつ自分を前に進めていくという形なので、結構前向きに続けていられるのだと思います。

それ以外に、お世話になった方に手書きの色紙と花を贈る、これも十年以上続いています。また時折、お会いした方に手書きの葉書をお送りしています。本当に大した事でもないのかもしれませんが、やはり、決めた事をやりきっていく、というのは、結果的にいろいろな形で、事業にも通じ、人生にも通じていくと思います。私などは若いとき、やや不良の部類に入っていた人間ですけれども、今は上場というきっかけもありましたけが、事業家として、何かこの世でできればなという心が芽生えていることも確かです。あまり人には見せてこなかったのですが、そろそろ、そういう何が大事かという事は、言っていてもいいのかな、という気はしています。

たまたまビジネスモデルがいいとか、あるいは時代がいいとか、そういう事は確かにあるのかもしれませんが、時代に関係なく、これらの愚直さが、何かを変えていき、何かを閃かせ、そして使命のようなものを持たせてくれるのかもしれないと、最近少し感じることがあります。これらは皆さんにとって、つまらない話かもしれませんが、やはり、いい家族があり、いい仲間がいて、そしていい仕事ができて、いい社員がいて、皆が日々成長していく中で、また喜びがあり、というその瞬間が楽しいというのではなく、非常に地味な表現になりますけれども、愚直であるが故に何かが生まれてくる事もあると思います。イエローハットの鍵山さんが、凡事徹底という本を出されていますが、凡事徹底すれば、非凡になっていくということなんでしょうけれども、まさしくそう思います。

その辺を、今の若い人も含め、私のような人間にもできるんだと、伝えていきたいと考えているのですが、先日もある講演の後で、ありがとう1000回をやってみますという方がいたり、あるいは、改めて親孝行してみるとか、改めてやってみるよ、という方がいることはうれしい事で、少しずつ皆さんの足しになっていけるような、そんな感じもします。

この「時代を読む」ももう6年くらいになると思います。確かに、読まれる方からすれば、一人前の事を言っているとか、生意気な事をいっているかもしれません。私は元から、おせっかいな男なので、どうしても知らせてあげたい部分があって、まあこれが何かのきっかけで自分が買われたとか、商売がうまくいったということもあるかもしれないと、少し思っています。

結構、人生とは地味なのかもしれませんね。そういうものがあって、表裏というか、その裏の部分がしっかりとあってこそ、表の部分が光ってくるのかもしれません。私もまだまだこれからだと思っています。いろいろな事を続けながら、何か、この世のお役に立つことができるかもしれません。ぜひ、がんばっていきたいと思っています。今回は、なんとなく地味な話でしたけれども、また次回は商売のお話でもしたいと思っています。よろしくお願いいたします。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道