VOL.135 2011年 03月号
今回は、「エリアリンク教本」というテーマでお話します。
当社では、『環境整備』というものを導入しています。
『環境整備』では、社員に各自担当する場所があり、毎日朝8時半から担当場所を清掃しています。これは単に清掃することだけが目的ではなく、綺麗にしたり使い易く改善したりすることによって、使用する方達や来社して頂く方達に、喜びや満足を与えられるように追求していくこと。また、もっと喜んで頂くにはどうしたらいいのかと考え、『気付き』を得られることが本来の意義となっています。
単に清掃だけの繰り返しですと、だんだん綺麗になってある程度までいくと妥協が生まれます。環境整備をしていると、今よりももっと気持ち良く使って頂く為にはどうしたら良いのかと追求していった時に、自分自身で『工夫』が生まれます。
トイレ掃除を例に挙げますと、手洗い場に水滴が飛び散っていたり、便器のふたが開いていたら気持ちの良いものではありません。常に綺麗な状態を保つ為には、使う人達の教育もしなければいけません。また、使い方の良くない人が出た場合、改善する為に誰がこんなことをしたのかと追求する熱意が必要です。
また、どういう道具や洗剤を使えばもっと綺麗になるのか、逆にやりすぎると傷ついてしまうのではないか、また、ハード面だけではなく、花が一輪あった方が良いのではないかなど、続けていくうちに『気付き』が出て来ます。
これまで、これらを形式的にやっていたり、続かなかったりする者もおりましたが、『何の為にやっているのか』という神髄が伝わっていなかったのだと思います。これから、私が経験したことや今まで続けてきたことを書面化し、『エリアリンク教本』として社員に研修と説明をしていこうと思っています。神髄が伝われば納得感が得られ、上司も部下に教えやすくなると思います。そして、継続する事により、自分自身の財産にもなって行くのです。
人というのは忘れる動物であります。ですから、これらを書面に残すことによって忘れてもまた繰り返し見ることが出来ますし、また自分の中で気になった時に振り返ることが出来ます。そして世代が代わってもこの神髄は引き継がれて行きます。
これを読まれている方は経営者の方も多いと思いますが、経営者の方は自分が今まで生きて来た中で、何が一番の神髄なのかということを教本にしてみてはいかがかと思います。そして、何の為にやってきたのかをきちんと掘り下げて社員に説明して行けば、多くの社員が育つのではないかと思います。普段なかなか時間がとれなくて端々だけ伝えていて、その神髄が伝わっていないかも知れません。
当社も、この会社に入ったから成長出来た・力が付いたという会社になれるように、今後新しい仕組みを作り上げて行こうと思います。