VOL.145 2012年 01月号
今回は、「2012年」というテーマでお話します。
ヨーロッパやアジア・南米など、多方面で様々な事が起こっており、大変な時代の幕開けではないかと思います。諸問題を場当たり的に対処していくと、それが持ちこたえられなくなってしまいます。私は、今年後半頃には大きな動きがあるのではないかと思っています。
今は、何か起こった時の為の準備をしておかなければいけない時期であると思います。前回、「現金ビジネス」についてお話しましたが、世の中が厳しくなると金融が一気に引き締まります。借り入れを減らしながら、現金を貯めておくことが、必要ではないかと思っています。
また会社内の体制も、もう一度見直す時が来ていると思います。社員一人一人のレベルをチェックし、適材適所に配属されているか、また経費に関しては、本当に有効に使われているかどうかなど、見極めが必要だと感じています。
当社の話をしますと、業務効率化の為に適材の配置を見直し、若い役員を抜擢して、全社で同じ方向に向かえるよう、全体的な活性化を図っております。
財務面に関しては、キャッシュフロー経営の徹底をしています。ストック型ビジネスによって、ある程度現金が貯まる仕組みを創り上げました。これからは現金の範囲内で将来における財産作りを考えております。身の丈に合った方法で、安定した経営をしながらも、事業を伸ばす方向を目指しています。
私はよく、「リーシングが出来る大家さん」という表現をしておりますが、不動産業界は不動産を保有し、減価償却をある程度保つことが大事ではないかと思っています。どうしても業界の歴史の中で、保有が長続きせず、売ったり買ったりを繰り返す傾向があります。
不動産の保有に関しては、時代背景が変わって来ていますので、ニーズにも変化があると思います。日本の人口は減って行きますので、例えば住宅であれば、今まで駅から10分圏内の商圏だった所が、より駅に近い5分圏内に縮まるかも知れません。また、都心に人口が集中することが予想されていますので、地方の方が都心の物件に投資をすることが増えると思います。
世の中が大きく変化をしていく時代で、荒波が予想されますが、冒険をするのではなく、確実に足元を固める方向性を見出す時であると思います。当社においても、勝つ経営というよりは、負けない経営を選び、着実に前進して行きたいと思います。
2012年も宜しくお願いいたします。