VOL.167 2013年 11月号
今回は、「理想の不動産売買」というテーマでお話します。
不動産業界には、規模を急速に拡大したために破綻した企業が多数あり、常にこの悪循環を繰り返すという現実があります。
当社では毎年20億円の長期保有不動産の購入と、20億から30億円規模の不動産売買を行っています。そこで私が考える理想の不動産売買についてお話したいと思います。
銀行の融資が緩くなり、投資利回りが8%以下の物件が増えて来たら買い控えをし、更に利回りが低くなったら買い止めをします。そのような流れになった時、保有物件をダンピングするのではなく、高値で売却するか保有しておけば問題ありません。また物件を売却すれば頭金の回収と利益で、現金のストックを保有することが出来ます。
銀行の融資が厳しくなったり売れ行きが下がったりすると、当然融資がストップする時期が来ます。そうなると個人を含め、各不動産会社の投売りやダンピングが始まります。その時に現金が手元にあると、比較的安い価格で物件をまとめ買いすることが出来ます。その購入した物件をリニューアルまたはリーシングして保有をしておき、金融情勢が良くなった時に売却します。売却することでまた頭金の回収と利益確保が出来るという流れが、理想の不動産売買になると考えます。
不動産売買をする際は固定金利だとキャンセルコストが非常に高く掛かるので、変動金利で長期借入し、保有・売却のどちらでも構わないというスタンスで15年、20年の長期ローンを組むようにします。その結果そうすると当然資金力が付いてきますので、次の時期には100億円近く購入出来るようになると思います。
但し、しばらく物件を購入しない時期があると、会社としても収益を出し難くなってしまいます。
しかし、当社ではストレージやレンタルオフィス、貸会議室などの安定した収入源があるため、物件を購入しない時期があっても十分経営することが出来ます。これらの事業基盤を有していることが当社の強みであり、不動産売買が出来る理由だと思います。
更に、ストレージ事業においてもやや古い物件や中途半端に空いたビルなど、ニーズが無さそうな物件を購入し、ストレージビルやストレージ倉庫という形で事業展開することも考えています。それを運用し埋めていき、将来的には投資家へ譲渡することも検討しています。
個人あるいは本当の投資家の中には、この不動産売買のやり方を行っている方もいらっしゃると思いますが、特に上場企業ではほとんど他に例がありません。私は先駆者となってこの不動産売買の手法を貫き、不動産業界の見本となりたいと考えています。
この手法が不動産業界に適しており、確実に利益を伸ばして安定した安定経営と成長のバランスを保てることを実証したいと思います。
結果については「時代を読む」等でご報告しますので、ご期待下さい。