1棟ビルストレージ - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.174  2014年 06月号

1棟ビルストレージ

今回は、「1棟ビルストレージ」というテーマでお話いたします。

 5月15日の日本経済新聞朝刊に、当社の1棟ビルストレージに関する記事が掲載されました。この機会に1棟ビルストレージを含めた、当社の戦略についてお話いたします。

 当社のストレージ事業は、長期間空室になっていたり、駅から遠く目立たない物件の1フロアを有効活用するというビジネスモデルになっています。当然ながら目立たない物件は、周りから認知され難いという問題点もありました。
 そこでストレージへのニーズが高い都心を中心に、認知度を高める為、1棟ビル全体をレンタルスペースとした拠点を増やすことを計画しました。加えて、今までは駐車場やエレベーターが無い物件もあり、荷物の搬出入に関して、不安を抱えるお客様もいらっしゃいましたが、この点を解消する為に、駐車場とエレベーターがある1棟ビルを選ぶようにしています。

 ストレージ物件が近くに出来るのを待ち望んでいる、という方の少ない事業だと思います。だからこそ、皆さんの近くにストレージがあることを認知して頂き、普段から生活の中にあるということを印象付ける必要があります。
「あそこに収納スペースがある」と認知していると、部屋が手狭になる等、生活に不便が生じた時、ストレージのことを思い出して貰えることから、結果として契約に結び付くことになります。

 今年は10カ所程度、1棟ビルストレージの出店を見込んでいますが、来年からは20カ所の出店を目指しています。都内に数多く出店するに連れて、当然一般の方にも当社のストレージを認識して頂けますし、生活にも溶け込んでいきます。こうして、生活の中で当たり前の様に使う商品になっていくことが我々のテーマとなります。

 また1棟ビルストレージの特徴としては、フロアが多くなる分、内装費が莫大な金額になって来ます。現金が無いと出来ない為、当社の資金力は1棟ストレージを出店する上で大きな強みになります。一気に出店すれば、都心や100万都市の中心地で「ハローストレージ」というブランドが当たり前の存在になります。5年もすれば皆さんの生活に溶け込み、ストレージ=エリアリンクというイメージを形成するという戦略が出来ると思っています。

 ただし、これは莫大に儲かるビジネスではありません。ビル1棟ごと借りると、総室数が100から500室となる為、当然損益分岐点も高くなりますが、皆さんに周知する為の看板戦略でもあり使って頂き様々なご意見を頂くことで商品開発も出来ます。利益はそれほど高くありませんが、空いているフロアを借り、そこを拠点に他の空きビルの募集も出来るようになると、後々、利益水準が上がっていくビジネスだと考えています。
 また、規制緩和で、空きビルや古いビルがこれからどんどん増えていきます。そうすると町並みや景観、雰囲気が悪くなってしまいますが、当社のストレージ事業によって使っていないビルを活性化させ、住居や事務所の荷物を整理出来、都心を非常に快適な空間にすることが出来ます。こういった意味で、素晴らしい事業だと思っています。

 ストレージ事業は今までニッチ産業でしたが、これからはニッチではなく本格的な産業になっていくと考えています。そして皆さんにとって本当に利用度の高いものになっていくと、この事業に賭けてきた甲斐があったなと感じられます。今は「ストレージが世の中に必要である」という確信を持って、スタートが切れている状況ですので、今後も事業の成長に尽力して参ります。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道