時代を読む

VOL.256  2020年 12月号

リーマン10(テン)に備えて

前回の「時代を読む」は、新型コロナウィルスを起因とした今後の経済への影響が、それこそリーマンショックの10倍くらいの可能性がある、ということでお話しましたが、今回はその準備、すなわち心構えについてお話します。

もちろんリーマン10(テン)が起こらないことが一番良いことではありますが、起こることを想定して、そのために何を備えればよいのか、ということについて当社の事例でお話します。当社は2年程かけて、会社のビジネスモデルを売買中心から、累積事業だけで会社が成り立つ運用事業に方針転換したことに加え、あらゆるコスト・業務を見直すことでコスト削減と生産性の向上を実現させました。そして借入金も短期から長期へ切替を行うことにより、今では100億円近い現預金が残る体制を構築しています。

私は、今の世の中は、企業の倒産やリストラ、ボーナス・賃金カットにより経済環境が厳しくなっているにも関わらず、株や不動産の一部価格が上昇していることから、バブルだと思っています。バブルは、残念ながら何かのきっかけで必ず崩壊します。この先2~3年は良い状態が続く可能性もあり、その期間に上手く利益を上げればよい、と思う人もいるかもしれませんが、現実的には中々難しいでしょう。

この厳しい時代を生き残るには、財務面に加え、ESG、つまり環境や人材といった社会性に対してもっと意識を向ける必要があります。食品ロスという言葉があるように、我々不動産業界にとっては、建物ロス、つまりコストダウンも含めて建物をいかに長く使うかといったメンテナンス方法を検討し実現していくことが重要です。このように環境に配慮し社会性のある企業が社会から必要とされ生き残ることができるのです。

今回のリーマン10(テン)は、世界中で大変革を引き起こすでしょう。私は、それこそ世界大戦や大規模な自然災害のような、今までに人類が経験したことが無いことが起こると思っています。これは今の世の中に何かを知らしめようとしているのではないか、とも考えています。

今、私は、人はもっともっと豊かになり、もっと楽しいことや個性的な人生の歩み方を選べるような時代がくると信じています。私がこれから起こると予想する世界的な変化は、人類がもう一段向上するための痛みだと思うのです。

備えあれば憂いなしという言葉があるように、経営者は決して諦めず物事を考え、追及してゆかねばなりません。柔軟で変化に耐えうる会社、世の中から必要とされる会社になる、そしてその先の素晴らしい時代を迎えるために、自分たちも世の中にとって必要な人間になることが求められているのです。

今回の「時代を読む」が、皆様のお役に立つようにと願っております。

代表取締役社長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道