時代を読む

VOL.255  2020年 11月号

リーマン10(テン)の可能性

今回の「時代を読む」は、皆さんを不安にさせようと思っている訳ではないのですが、新型コロナウィルスを起因とした今後の経済への影響が、それこそリーマンショックの10倍くらいの可能性がある、それに対してどうするのか、ということをお話します。

私は、新型コロナウィルスが発生したときには、1929年の大恐慌のようなことが起きるのではないかと危惧しました。しかし、その後、米・欧・日と世界各国が緊急に財政出動したことで、短期的に経済が支えられ、恐慌を回避できたのです。以前の「時代を読む」において、資産バブルが起きる兆候があるとお話しましたが、今まさにそれが現実となりつつあります。金、株、そして不動産の一部も価格が上昇しています。それに加えて、海外ファンドが日本の不動産に投資することがニュースになったり、アメリカの著名投資家が日本の5大商社に投資したりと世界から日本へとお金が動きだしました。その結果、不動産価格や株価が維持されたことで一時的に活況を呈することによって、本来は不景気なのに社会には何か安堵感のような雰囲気が漂っています

先々何が起きるかというと、人の動きが制限されていることで消費・経済活動が縮小しており、様々な分野に影響を与えています。近い将来、消費・経済活動が元に戻る可能性は極めて低いといえますが、緊急融資で調達した借入金は返済しなければなりません。要は今まで以上に稼がないと返済するのはなかなか厳しいということです。大げさな言い方をすれば、中小企業に限らず大企業含め全体の20%とか30%の企業が廃業・倒産になることもあり得るということです。そしてCLOといった債権に積極的に投資をしている金融機関へ影響が出た場合、最悪の場合は金融システムの崩壊に繋がる可能性もゼロではないと思っています。しかもこのことは日本だけに留まらず世界規模で起こる可能性があるのです。

では、どうすればよいのか、ということですが、前にもお話した通り、氷河期に恐竜が滅びて哺乳類が生き残った理由は、環境に適応するだけの柔軟性があったからです。企業に例えるなら、厳しい環境に備えるため、事前に事業規模を縮小する、半減させるという位の感覚でコストを見直し、借入金、特に短期の借入金を減らす、今の現預金で2~3年程度生き延びれるCFにまで改善することです。この厳しい時代を乗り越えれば、今までのおかしなことが是正され、正しい方向に導かれて、素晴らしい社会になると思っています。但し、生き残らないと素晴らしい社会もそれへの期待もないので、会社として人として生き残るということを念頭に置いて備えることが必要です

私は自分が感じたことや、私が得たいろいろな情報を発信していきながら少しでも皆様のお役に立つことができればと思います。決して安易に人を不安に陥れよういうことではなく、厳しい時代が来た時の備えを少しでもしていただきたいとの思いで話しています。

今回の「時代を読む」が、皆様のお役に立つようにと願っております。

代表取締役社長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道