らしさの時代 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.82  2006年 10月号

らしさの時代

今回は「らしさの時代」というテーマでお話しします。現代の日本はルイ・ヴィトンやエルメスなどのブランドへの志向が強く、そういった商品が一番売れる国といわれています。今までの社会では、自己主張をする事は異質で輪を乱すといわれ、自分らしさを出したり、何かに特化して行動するといった事が、あまり認められていなかったとも思います。

 ところが最近では、個々が自分らしさ、会社らしさという、個性や特性を徐々に持ち始めてきたと感じます。たとえ美人ではなくても、顔立ち、容姿などその人の持つ個性が認められ、評価され始めているのはとてもいい事だと思います。私も自分らしい生き方を大事にしていまして、何か選ぶときには好きか嫌いかをある基準とし、常に好きだ、わくわくするというものを選ぶ、自分で決めたことは絶対続けるといった事で、自分らしさを作ってきました。食事一つとっても、今食べたい物は何かと自分に問い、自分との会話をしながら結論を出していくことを大切にしています。

 各自が自分の良さを出すことでより良い社会ができると考えております。オムロン株式会社の会長のお言葉を借りますが、「自律社会」とは自分に適した仕事や生活が安定的・継続的に得られるように多様な選択肢が用意され、常に人間性が追求され、心の豊かさを優先しうる社会であり、機械にできることは機械にまかせ、人間はより創造的な分野での活動を楽しむべきである、と仰っており、私も重要だと思います。

 物事を会社のせい、社会のせい、政治のせいにする方がいますが、それは考え方が全く違うと思います。会社の中でもその人らしさが出せるようにならないといけません。ただ働くだけではなく、自分らしさを出すことで活躍できますし、おかしいと思ったら、こうしてみませんか、こうしたらもっと良くなりませんかと、自己主張をしながら自分も会社も変えていく。それには摩擦も起こるでしょうが、またそれを超えていかないと、自分らしさというものは出し切れないですし、その結果が魅力のある会社を作ることになり、自分も魅力ある生活が送ることができ、人生も楽しくできると思います。自分らしさを出さなければ、当然自分らしい人生も送れません。もっと発言し、言ったことに対して責任を持って努力していく。自分の思ったことに対してチャレンジするということが、会社にも、生活にも必要だと思います。

 自分を表現することで、他に流されない、自立した社会を作る事が重要です。今はその狭間にいるような気がします。極端に二極化した格差社会ができていますが、これを乗り越えていくと、その人らしさ、楽しみ方、ライフスタイルができ、大きく日本が変わることがきる、そのターニングポイントが、2007年になるのではないかと思っております。これは不動産の動きも、株の動きも全部含めて、色々な物ががらりと変わる気がします。

 今後、シニア層が増加する上で、夫婦での人生の楽しみ方も重要だと思います。私は週末、妻と一緒に余暇を過して、人生の楽しみ方というものを二人で作っています。夫婦で共に行動することで、二つの目で見ていたものが四つの目で見られる、二つの耳で聞けたものが四つの耳で聞ける、一つの口で味わったものが二つの口で味わえる、お互い別の感性で感じたことを話していると、新しい発見ができ幅広い人生になると思います。夫婦であれば信頼関係もできていますし、本音で語り合え、多くの情報が入ってきます。これからの若い人達の夫婦のあり方、子供との関係も全く変わってくるでしょうし、自己表現をすることで自分らしい、充実した生き方をしていきたいと考えています。ご参考になれば幸いです。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道