今後の方向性 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.88  2007年 04月号

今後の方向性

今回は「今後の方向性」というテーマでお話します。

土地の公示価格も発表され、最近の不動産市況は銀座、表参道、青山、赤坂、渋谷といった一等地の不動産価値が上昇傾向にあり、その中でも誰もがほしがる好立地は更に家賃も高くなっております。しかし、土地の値段が上がる、下がるといった大まかな感覚で捕らえられていたものがより繊細に判断され、一歩裏に入ればまったく価値が変わってしまう時代が来ております。リゾートホテルであれば、海が見える部屋とそうでない部屋とでは値段が違うように、ニーズに合うものほどその価値が上がります。市況が良いためにビルを作り過ぎてしまうと、今後の不動産市況も山場を迎え、また調整が入ると考えられます。本当に価値のあるものは安定しますし、価値の無いものを所有していても、価値が上がらないばかりか下がってしまうこともあります。今まで曖昧だった物事がはっきりしてくるのではないかと思います。

私の憶測ですが、2007年夏頃を境目に、不動産市況の調整局面があるのではないかと考えております。それまでに何らかの兆候はあるでしょうが、どんな状況にも耐えうるように今から基盤作りをしっかり行っています。私どもは、ビルやホテルを売却する不動産売買、流動化ビジネスの他にストック型と呼んでいる、レンタル収納スペースの「ストレージ事業」、「小規模レンタルオフィス」、「コインパーキング」、「店舗」といった、非住居系不動産の累積ビジネスに力を入れております。

また、足腰の強い企業になるため、不動産の所有にも力を入れています。所有不動産を増やしながらも借金が少なく、おかげ様で順調に事業を伸ばすことができています。新しい商品を開発し、ストック型のビジネスをこの二年間でしっかり作っていきます。これを基盤に10%以上の利回りが見込める場所で積極的に不動産を所有していこうと考えております。ビジネスホテル、中古ホテルのリニューアル、熱海に建設中ですが、開発型のホテルなど、これらも投資利回り10%近くで回る運用が見込めます。 ただし、焦ることなく確実に事業を展開していくため、ホテル以外にも、ストレージ事業に関するビルや土地を所有し、当社の商品ノウハウを十分生かして利回りを上げ、金利が上がったときでも対応できるようにしております。安定した収益を上げていける仕組みを作り始めております。

不動産業を中心とする会社は、どちらかというと不動産を保有せずに売買で利益をあげる傾向にあります。三菱地所さん、森ビルさんのように、価値のある不動産を所有している会社は安定していると思います。大企業ほど所有できないにしても、一件毎確実に利回りの上がる不動産を所有することにより、安定収入が見込め、企業として足元がしっかりします。これは当社だけでなく、他社様にも考えられることです。確実に利の回る不動産は収入が安定しますので、売買で直ぐに手放してしまうのではなく、不動産を持つことの魅力をもう一度考え、所有することで安定した企業作りもひとつの方法ではないかと思います。不動産は個人、法人関係なく素晴らしい商品であると思っております。

当社も、更なる飛躍を遂げるか否かは、この一、二年にかかっていると思います。社員共々、気合を入れて必死に前に進んで行きます。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道