本当の営業とは - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.126  2010年 06月号

本当の営業とは

   今回は「本当の営業とは」というテーマでお話します。

   変化が激しく苦しい時代の現在は、非常に営業力が問われています。昔からずっと変わらない考えですが、私は「何か困っていることはありませんか」という視点からビジネスが始まるのだと思っています。要するに、商売の基本は御用聞きにあるのだと思います。

   ところが、今の営業は売りたいものをどう売るかしか考えていない人が多いと感じています。いい商品だから、儲かるから売るとか、数や期間限定で衝動買いをさせるなど、相手が何を望んでいるのかを考えることを、忘れているのではないかと思います。

   最近は、社員にストレージの受注営業の指導をしていますが、社員の中には出店出来そうな空きビルを見つけると、特攻隊のように突っ込んで行く者がいました。せっかくお客様に提案する機会があっても、相手のことを何も理解していませんでした。

   良いと思う物件があれば、まず謄本をとり、所有者がどんな状況下にあるのか、相続で何代も前から持っているものなのか、新しく買ったものなのか。借入はどうかなど、背景と現在状況を把握した上で、現場の情報収集をすることが大前提です。

   私は現場に全ての答えがあると思います。建物の劣化や管理状態で管理会社がついているのか、またその会社との関係はどうなのかなども推測出来ますし、近隣に聞くことで以前は何が入っていたのか、何故空いているのか、いつ頃から空いているのかということも、オーナー様の訪問前に把握出来ます。

   これは警察と同じで、犯人の手掛かりを探す為に何度も現場へ行ったり、聞き込みをして背景を調べますよね。オーナー様の心探しというか、そういう熱心さが無いとただ闇雲に行っていたのでは相手の心情を読み切れず、営業が成り立たないと私は思います。

   客観的な状況を把握した上で、相手が本当に困っていることは何だろうか、何を望んでいるのか、親や奥さん・子供との関係はどうだろうかまで考えます。相手のことをどれだけ考えられるか、気持ちをどれだけ汲めるかで情報収集量も変わってきます。私は普段タクシーに乗っている時もいろんなことを質問します。子供の頃から質問魔だとよく言われました。情報を得よう・知ろうという姿勢が無いと知識も付きませんし、相手のことも理解出来ないと思います。普段の生活で人の話を聞き、話を聞いたところから相手の分析をすることが出来る人が、今は少ないのでないかと思います。

   そして最近では、対面で人に聞くことが段々苦手になっている傾向があります。その場で聞けずにインターネットで調べようと考えるなど、会ったその場で聞くことの意味を十分理解出来ていないのではないかと思います。

   営業とは根性のようにガンガン行くことでは無くて、ひとつひとつ丁寧に相手の状況を把握して、相手の為に何が出来るのだろうかと、コツコツ丁寧に積み上げていくことじゃないかと思います。

   このような厳しい時代の中で、本当に喜びを与えられる・満足を得られるとはどういうことなのかを、色々な会社が考えなければいけないのではないかと思います。ご参考になればと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道