日本の未来 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.128  2010年 08月号

日本の未来

   今回は、「日本の未来」というテーマでお話します。  

   現在、国内の一般税収が40兆円を割っている中、国債の発行は44兆円にもなって来ました。そして国の借金は1、000兆円に近づいて来ています。これは大変な世の中になって来ていると思います。例えて言うなら、年収500万円の人が毎年1、000万円使い、借金が1億円あるというようなものです。  

   一方では、国債は国民が買っていて預金残高もあるなどという楽観的な意見もありますが、私は非常に大変な事態になっていると思います。エコカーや住宅ローン減税など、前倒しで施策を投じた分、今後はドラスティックに何か対策を打たないと、国内に混乱が生じ、事業が一時停止するような事態が起こりえると思います。  

  今後、金利が上がれば、企業倒産が増え、住宅ローンの破綻などのとんでもないことが起こり始めるのではないでしょうか。失業率が20%、30%になる可能性もあるかもしれません。本当に景気が良い企業はほんの1割程度で、現実には厳しいところがほとんどになると思います。 

   不動産についても、まだ賃料は下がり続けていくと思います。円安になるまでは不動産価格も上がらないのではないかと思いますし、これまでの様に悪い時期が過ぎると良い時期になる、というトレンドは崩れているように見えます。  

  何か起こってから政策を打つのではなく、これまでの政治的なしがらみを捨て、党派関係なく英断をしていかないと、日本は破綻に近い状態に陥るのではないかと思います。 

   非常に暗い表現になっているかも知れませんが、まだ対策を打つ期間は2、3年あるのではないかと私は思っています。その間にきっちりと準備をしておくことが企業にとって重要であると思います。事業を行う上で、これからのマーケットに必要かどうかをきちんと見極め、これからどういうことが起こるのかを想定して手を打っていく必要があると思います。

  この『時代を読む』でも何度かお伝えしていますが、弊社は3年前からコスト削減を始め、現在は無借金化・無リース化を進めています。今では月次でキャッシュフローがプラスとなり、今後の財務基盤を固めています。また社内の環境整備や改革を速いスピードで行っています。 

   やや極端な意見ですので参考になるかどうか分かりませんが、もう一度日本の未来を考える上では重要な時が来ていると思います。そして今であればまだ間に合うことがあると思います。今後どんなことが起こってもおかしくないと想定し、会社や個人を守るための準備をしておくことが必要だと感じています。  

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道