無借金経営 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.140  2011年 08月号

無借金経営

   今回は、「無借金経営」というテーマでお話します。

    当社は2006年末に約240億円の負債がありましたが、現在は50億円を切っています。またリースの残債も多額にありましたが、それも今は、ほぼ無くなりつつあります。

  ここ数年で借入金やリースの怖さを体感しました。経済状況や企業の財務状態に変化があると、すぐに金融機関の意向も変わります。今、借りることが出来るから借りておこうとするのは、大変危険なことだと思いました。

   以前は、レバレッジを効かせた借入れは当たり前の様に行われていました。しかし、借入れをすればするほど無理をするようになり、借入金がふくらんだ会社の多くは、デフォルトという事態になりました。

   日本は地震の多い国ですが、今回のような東日本大震災に近い震災は過去にもいくつかありました。しかし、もう起こらないだろうと特段の準備もせずにいた為に、このような事態になっています。原発の問題も予想以上に大きくなってしまいました。

  世の中がどうなっていくのか、本当に分からない状況です。政治不安や、また起こり得るかもしれない大企業の連鎖的企業倒産など、企業や個人を取り巻く経済的リスクが日本にはあると思います。今後、国債の評価が下がれば、金利が上がる可能性もあります。金利上昇は企業にとって大きなリスクとなります。今は無借金経営を目指し、その中で会社を伸ばす方法に知恵を絞る時ではないでしょうか。

   日本以外のアジアの国をみても、過去の日本のバブル期に近いところもあります。不動産業界においても過去の失敗から学習し、焦ることなく、緩やかな上り坂を目指して欲しいと思います。

    例えば、現金が出来てから資産を購入することや借入金と同額の現金を保有するなど、いつでも借入れが返済出来るような状態にしておくことが望ましいと思います。

   無借金では会社が伸びないと言われていましたが、伸ばす工夫に知恵を絞ることが、今、必要なことではないかと思っています。また、個々の企業の生業や業界が、社会に貢献するものかどうかなど、再度見直し、見極めることが本当に大切なことであると思います。

   今後、政治経済の動向や、突然の天変地異などにより大変化も起こり得ます。企業としても、「まさか」の時を想定して、対処法を備えておく必要があると思います。当社も、お客様や株主様、社員にとっても安心出来る会社となるよう、気を引き締めて経営に取り組んでいきたいと思います。これからもどうぞ宜しくお願い致します。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道