理想の不動産業 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

  1. HOME
  2. >
  3. 時代を読む

VOL.148  2012年 04月号

理想の不動産業

  今回は、「理想の不動産業」というテーマでお話します。

 私は30年以上不動産業界で仕事をしておりますが、最近ようやく不動産業における理想の形が見えて来たと実感しました。

  「不動産業」というと、色々な業態がありますが、移り変わりの激しいイメージもあると思います。取り扱う金額も大きいので、急激に売上を上げて間もなく、資金繰りが悪化してしまうケースもありました。

  当社が採用している方向性として、3つのコア事業というものがあります。一つは、基幹事業がストック事業であることです。当社ではストレージ事業ですが、不動産業界で言うと管理業が当てはまります。毎月安定した収入が得られるものを基幹事業として持つことが大切であると考えます。

  もう一つは、不動産の保有事業です。いわゆる大家業ですが、こちらも毎月賃料が入ってくるストック事業なので、将来への安定経営の布石となります。ただし、長期でローンを組む場合は、固定金利を活用した方が良いでしょう。また、私がよく『リーシングができる大家さん』と言っていますが、自分で客付け出来ることが理想です。

  最後は、現金での不動産売買事業です。当社も以前はレバレッジを効かせた売買を行いましたが、過去に学び、現在は収益物件のみを現金で売買しています。こちらは売れるまでは賃料が入って来ますし、また売れれば販売利益が入りますので、ある意味ではストック事業と言って良いと思います。当社では成長のエンジンと位置付けております。

  上記のように、ストック型の基幹事業と、将来の安定経営に向けた投資・成長を助長する事業などと、確実に利益が積み上がる事業展開に切り替えれば、事業としても安定し、永続的な成長が見込めると感じています。

  一つ注意点があるとすれば、売買事業は銀行の貸し出しが多くなり、過熱気味の時は引いておくことが必要です。買い時に備えて現金を貯めておき、また銀行の信用も作っておいて、買える方が少ない時に、現金で買えるようになっていると、物件を選ぶことができ有利となります。

  そして一番重要なことは、何れの事業も世の中のお役に立っているものかどうか、常に考えながら運営をすることです。一般の顧客がいるのであれば、ご満足して頂けているかどうか、また、売買するのであれば、自らが欲しいものであるかどうかを追求することが大事なことです。

  不動産業は大事な財産を扱う事業ですし、取り扱う金額も大きく、関わるお客様が沢山いらっしゃいます。多くの方のお役に立てる素晴らしい事業です。

  当社も3つのコア事業を基に、ビジネスモデルを完成していきたいと考えています。年々成長する姿をお見せでき、また他の見本となれるようになっていきたと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道