創立20周年を迎えて - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.197  2016年 05月号

創立20周年を迎えて

今回は「創立20周年を迎えて」というテーマでお話しいたします。
  私1人でスタートしたエリアリンクも今では正社員が120名を超え、この4月で1995年の創業から20周年を迎えました。リーマンショックなど大変な時期も経験し、様々なことを学んだ20年間でした。
  創業から8年後の2003年8月には東証マザーズに上場を果たしました。振返ってみれば、マザーズへの上場は、成長への原資となる資金を市場から調達できたということ以上に、経営者として自分自身を大きく変えた出来事であったと思います。
上場の審査においては当然、規制やルールに厳密に則った経営が求められますので、上場すると制約が増えて窮屈だ、経費がかかる割にメリットは少ない、などと捉える経営者の方もいらっしゃいます。しかし、監査対応やルールに則った事業展開は、私自身の経営センスを磨く機会に繋がり、上場を機に改めて規則やルールに則った「足元がしっかりしている経営」を心掛けるようになりました。エリアリンクは上場によって、初めて「林商店」から「企業」になれたのです。スポーツに例えれば、選手はルールに則った試合や大会を通じて、切磋琢磨し、力をつけていきます。企業経営もスポーツと一緒で、規則を厳守し、きちんとした事業展開を行うことで、皆さまに信頼されるような「本物」の実力を持つ企業になれるのだと思います。
  上場基準を満たし続けながらも、スピードと成長を両立させるためにはエリアリンクらしい企業文化の醸成や人材の成長も不可欠だと痛感し、ここ数年は社内の変革にも積極的に取り組んでまいりました。2月の「時代を読む」でもご紹介した「愚直は一流に勝つ!進化1」という社内向けの本として1冊にまとめたような様々な社内の仕組みや制度は正にこうした思いから生まれたものです。
  日進月歩の現代では、少し前であればSF映画にでてくるような話であった人工知能や自動運転の実用化も予想以上に早い段階で実現することでしょう。過去を振り返れば、皆で休みなく働いて、どうにか成り立っていた時期もありましたが、私たちの会社だけでなく、仕事を人の労働時間でカバーし稼ぐ時代は終わりを迎えます。これからはロボットにはできない仕事を人間がするべき時代なのです。当社もその考えのもと、最低限の社員数でしっかりと結果が出る仕組みを導入しています。社内の変革はまだまだ道半ばで、今後もセールスフォースやグーグルアップスなどの新しい技術の活用を通じて、一人一人がもっと成長できる土壌を整え、更なる業務効率化と仕事の精度の向上を図っています。
  リーマンショック後には財務的に厳しい時期もありましたが、現在では実質的な無借金経営を実現することができ、これから成長が見込める累積型のレンタル収納スペースの市場で当社のハローストレージは1999年の参入以来の地道な出店戦略の元、トップシェアを維持しています。しかしながら、創立20周年を迎えて感じるのは、現在のエリアリンクは、決してゴールにたどり着いたのではなく、新たなステージに向けてスタートラインに立ったにすぎないということです。私自身も創業以来、「私が会社を引っ張っていかなくてはならない」という思いが強くありましたが、これからのエリアリンクは素直で進化を恐れない人材が集まり、従業員一人一人が会社を引っ張っていくような「未来型理想企業」を目指していきたいと思います。今後、社内向け書籍「愚直は一流に勝つ!進化1」も「進化2」「進化3」と更に進んだ内容を追加しながら巻を重ねていく予定です。世界中のどこを探しても同じような会社は存在しない、といわれるような素晴らしい企業として、エリアリンクが他社のモデルになれるよう、これからも経営にまい進していきたいと思います。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道