大チャンス - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.221  2018年 05月号

大チャンス

ここ最近、「最悪の時を想定した経営」「潮目が変わる時」という厳しい内容のお話をしておりますが、今回は、「大チャンス」というテーマでお話したいと思います。
 以前に選別融資のお話もしましたが、最近「かぼちゃの馬車」の一件もあり、不動産投資に対して警戒心が非常に強まっています。唯一金利が低い点だけが救いですが、それもこの1〜2年で流れが大きく変わることが予想され、不動産価格の下落が始まると見ています。アパート・マンションに関しても、入居率が非常に厳しくなっています。国内の人口は減少し、必然的に日本経済全体も縮小に向かうことから、今回の下落は長引くという感じがしています。
 当社は、不動産市況の浮き沈みを常に想定して事業を行っています。特に、当社主力のストレージ事業は、不景気に非常に強いのです。また底地事業も同様で、基本的には借地権者様が購入するビジネスモデルであることから、地道で固い事業といえます。どちらも足元がしっかりしているうえ、今後成長が見込める分野です。
 今、当社は土地付きストレージに力を入れています。この事業に対しては、市況の悪化はフォローなのです。というのも、今後、不動産市況が悪化すると銀行融資がより厳しくなることが予想されます。銀行融資が厳しくなると、購入できる人が減ります。そうなると当社が買いたい土地が安く買えるということになります。では、ストレージの貸出賃料が急に下がるか、というとそのようなことは現実的には考えにくいでしょう。このような理由から、当社にとって、不動産市況の悪化は、欲しい土地が安く買えるチャンス、しかも大チャンスということになります。不動産市況の下落に対する準備を終えているわれわれにとって、市況の悪化は大チャンスになりえるのです。
 さらに、当社は将来に向けて保有事業も検討しています。この環境の変化によって、今まで買えなかった良い不動産が市場に出てくることでしょう。買う人が減るというのは、良い商品が安く市場に出やすくなるということです。その時に重要になるのが、不動産の選び方です。ポイントは、将来人口が減少しても、必要になる物件です。テナントでも住居でも、空いてもまた埋まる物件です。
 当社は、この大チャンスに対応するために3〜4年かけて準備をしてきました。既に準備は整い、今は大チャンスの到来をじっと待つ状態です。悪い時が来るのは困るという方もいらっしゃると思いますが、市況の悪化をチャンスと捉えられるか否かは準備次第です。その人によって、大チャンスにも大ピンチにもなるということです。もしピンチになる可能性があるのであれば、ピンチにならない手を打つ必要があります。大ピンチになるなら、もっと手を打たなければなりません。このままの景気が続くといいな、といった淡い期待は持たず、そんなことがずっと続く訳はない、という考え方に切り替えて、手を打つことが必要です。
 世の中の景気は、上がればいつか下がり、下がればいつか上がるものです。どちらか一方が続くということはあり得ません。これからどのような時代になるかを読み切っていく、そして景気の浮き沈みに合わせてしっかりと準備を行うことが重要です。
 私が、予想している市況の悪化は、当社にとっては大チャンスになるでしょう。皆様も今後に対してシビアな読みをして、しっかりと準備を行うことでマイナスの環境変化をチャンスに、そして大チャンスに転換できるよう万全の準備を進めていきましょう。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道