時代を読む

VOL.231 2019年03月号

方向転換の読み

今回は、「方向転換の読み」というテーマで、私がどのようなことを考え、戦略の方向転換という判断に至ったかについてお話いたします。

私は、バブルの崩壊、リーマンショックを経験したこともあり、常に世の中の流れを見ながら会社を経営しています。

今から2年程前から、アパート融資に対して少しずつ警戒心が出始めました。昨年の「かぼちゃの馬車」「TATERU」等の件は記憶に新しいところです。これらは、金融機関にとっては衝撃的な出来事であったと思います。バブルの崩壊もリーマンショックの時もそうでしたが、金融情勢というのは、極端な程、突然変わります。

リーマンショック時、当社は、二百数十億円に上る有利子負債がありましたが、金融機関の協力もあり、リスケ・リファイナンスを行った結果、何とか危機を切り抜けることが出来ました。この時は、会社を立て直すのに3年、次の体制に移行するのに2年かかりました。当時は、金融機関に限らず、株主様、地主様にもご協力を頂き、また非常にご迷惑をおかけしました。このような経験から、金融が締まる時は、一気に引き締まるということを学び、そして、そのような事が再び起きたとしても、絶対にご迷惑をかけることはできないという強い思いを持ちました。

最近では、レオパレス社の建築の問題があります。本当にこういったことは、いつの時でも起こります。以前の時代を読むでもご説明しましたが、当社でも、数字第一主義が強かった時期もありました。しかし、現在は、お客様ファースト委員会を立上げ、全社あげてこれに取り組んでいます。

これからは、社員の考え方もすべて切替え、そして注文受注や注文販売事業という事業形態で、不動産の在庫を極力持たない会社作りを進めます。また、人口・世帯数は減る一方、住宅の着工は増加し続けており、当然競争が激しくなることは目に見えています。今後、非住居系のマーケットが非常に重要になると見ています。

ストレージ事業というのは、世界的に見ても、非常に活況を呈しており、人々の生活を豊かにしています。しかし、リスクを負いながらストレージ事業を成長させていくことは、途中で頓挫してしまう可能性があることを考えると、今回の方向転換は健全な判断だと思っています。

私は、今までのバブル崩壊やリーマンショックの経験を活かし、考えに考え抜いて方向転換という最大の決断を下しました。今回、お客様、株主様、従業員が一番困らない良い方法を選択したと思っています。この決断の結果は、先にならないとわかりません。ただ、われわれのように事前に対策を講じた会社はほとんど無く、かなり早めの動きだったと思います。但し、「その時」が来てからでは間違いなく手遅れになるでしょう。

この方向転換は、日本国内だけではなく世界の情勢も考慮したうえでの私の決断です。あらゆることを想定して二重、三重に危機を避ける判断を下すことが経営であると、私は考えています。今回の時代を読むが、皆様のお役に立つようにと願っております。

代表取締役社長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道