時代を読む

VOL.233 2019年05月号

準備終了間近

今回は、当社が将来起こり得る不況に備えてきたことが、「準備終了」間近となったことについてお話します。

私たちは、昨年の6月頃から恐慌対策として、全社のコストダウン、紙ゼロ・作業ゼロへの取組み、土地付きストレージの長期保有への方向転換に伴う借入金の長期化、仕入済物件のプラン・収支見直し等、さまざまな施策を行ってきました。さらにこの間、社内で大きな問題が発生した時は、毎週月曜日の朝から1時間近く時間を使って緊急会議を行い、課題を1つずつ塗りつぶし解決を図ってきました

こういった施策を行う背景には、歴史は繰り返され、世の中は思わぬことが色々と起こるものだと、との考えがあります。私は、良い時があれば、悪い時もあるという考え方をベースとしているのです。日本の不動産業界も、現在、バブルの崩壊時期を超える融資残高となっています。歴史は繰り返されるものであり、今も何かのきっかけで不景気になる可能性は決して低くありません

そうだとしても、何かが起こった時に対策を打てば良いのではないか、と思う方もいるかもしれませんが、そんなに甘くないと、私は考えています。おそらく致命的になるのは、短期の借入金です。世の中が厳しくなれば、当然銀行も貸し渋りを行いますし、今は買い時ではないとの警戒心からお客様も減少します。

会社の体質改善も含め、来るべき時の備えに、スピード感がある当社でも10ヶ月以上かかりました。起こる、起こらないは別としても、最悪の時にはどのようなことが起きるのかを想定して、そのリスクを最小限にしておくことが非常に重要です

アメリカの有名な投資家は、「歴史は繰り返される」と度々発言をしています。今、当社では1929年の世界大恐慌時に何が起きて、その後どうなったのか、その時にどうすれば良かったのか、という事を知るために当時の分析を始めています。当時、株価は恐慌前の約2割にまで下落し、失業率は25%ほどに上昇しました。このようなことが、世界中に波及していったのです。

私は、最近、企業を伸ばしていくことは大変なことだと感じています。アパート建設関連の問題にもあるように、企業を伸ばせば伸ばすほど、急成長すればするほど、色々なリスクが出てきます。当社は、今、急成長を目指す時ではありません。これからの成長のために踊り場を作り、全体を見直す時なのです。長期的に事業を成長させ、安定した経営を行うために、勇気をもって一旦踊り場で問題を整理することが必要な時期なのです

何度も言いますが、歴史は繰り返されます。良いことばかりでない、という事を肝に銘じて、今出来ることは何かを真剣に考えて実行してください。社長が決断し、自らの身を切って進めていくことが一番良い方法ではないかと思います。私は、リーマンショックの時も、そうして切り抜けてきました。今回、状況はまだその当時まで行ってはいませんが、何か起きても、私はそれに対応するため、徹底して準備していますので切り抜ける自信があります。起こり得る最悪のシナリオから目を背けず、その場合にはこんなことも起こる可能性がある、であればここまで対策を打とう、と箇条書きにすることも良いでしょう。念には念を入れた対応を行うことが重要なのです。

今回の時代を読むが、皆様のお役に立つようにと願っております。

代表取締役社長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道