時代を読む

VOL.236 2019年08月号

忍び寄る不況到来の実感 そしてチャンスへ

今回は、皆さんも少しずつ感じ始めておられるかもしれませんが、「そろそろ不況到来の実感、そしてチャンス」をテーマにした内容でお話いたします。

以前からこの「時代を読む」でもお話している通り、一般個人に対する不動産融資の審査は非常に厳しくなっており、不動産会社に対しても厳しい審査が始まっています。これらに加えて、最近は、不動産会社が保有する収益物件を積極的に売り始めている状況です。過去を振り返ってみると、バブルの崩壊やリーマンショックの時には一気に金融が引締まった結果、不動産会社は在庫の不動産をどんどん市場にはきだしました。そのため、不動産価格はみるみる内に下落することとなり、資金繰りが苦しくなった不動産会社は倒産し、さらに金融が引締まるという連鎖に陥りました。

今起きていることが、過去の事象と比べて違うところは、不安がじわりじわりと時間をかけて進んでいることです。一気に起こるのではなく、一~二年かけてここまで来たという事です。これからは、バブルの崩壊やリーマンショックの時のようなことが、似たような形で起こっていきます。徐々にですが、不動産会社の倒産も起こると思います。

当社は、このような時が来ることに備えて一年間かけて準備をしてきました。販売用不動産を長期保有に切り替えるために、全物件のプランを見直したほか、一部の既存融資については長期への借換えを実行し資金を確保するなど、どのような時でもビジネスを展開できる土壌を作ってきたのです。かつて当社は、バブルの崩壊の時やリーマンショックの時には資金がほとんど無く、かなりの厳しさを経験しました。そのおかげで、今回は資金面のみならずほかの面でも十分に準備をすることができたのです。

金融機関においては、優良企業や富裕層に対する融資は継続していくと思われますが、不動産業界に対する審査は今後不良債権の発生が見込まれることから、厳しくなることが予測されます。そうなると、市場に良質な不動産が出始めたとしても新規融資を受けて購入できる会社は限定されます。当社にとっては、良い不動産が安く買えるチャンスが近づいてくるのです。但し、不動産に関しては目利きが非常に重要です。将来高い稼働率が見込めないビル・マンション・アパートは難しいでしょう。これからは、オフィスに出社せずどこでも働くことができるため、オフィスニーズもどうなるか分からないと思います。人がどのように動いて、インバウンドの影響がどう出るのか、またどこの地域にどのような不動産ニーズがあるのか、という目利きができることが重要になります。購入すべき不動産、購入してはいけない不動産にはっきりと分かれてくるでしょう。

このような時代背景と不動産のニーズを絶えず分析し、何が世の中に必要とされているのかという目利き、分析力、そして進むべき方向性を定める決断力が問われる時代が来ていると思います。時代は転換点を迎えており、そこの変化をチャンスとして活かせるかどうかは、まさに経営者にかかっていると思います。

今回の時代を読むが、皆様のお役に立つようにと願っております。

代表取締役社長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道