時代を読む

VOL.243  2020年 03月号

縮小する経済での経営

今回は、日本の経済が縮小していく中での経営というテーマでお話したいと思います。皆さんも既にご存じの通り、2008年頃から日本の人口は減少局面に入りました。今後の移民政策によって影響が出るかもしれませんが、基本的には人口が減少していくということは、労働力人口の減少ということ、つまり経済が縮小していくということを意味します。

このような環境の中で、当社が目指す会社の在り方は、不景気になったとしても対応できる経営というものであり、それをテーマに掲げ、今まで実践してきました。その要諦は、一人一人の能力を最大限に引き出し、社員を増やすことなく業績を上げていくということです。当社も数年前は、最大で120名程度の正社員がいましたが、現在では80名前後の正社員でそれぞれの事業を拡大成長し、業績をあげることができています。

時代をはるかに遡ると、恐竜は氷河期によって滅びましたが、哺乳類は生き延びることができました。これは、環境に対する順応性があったからだと思います。経済というフィールドも同じで、その時代や経営環境にあった高い順応性を持った企業が生き残るのだと思います。昨夏の甚大な台風被害、最近のコロナウイルスと世の中は何が起きてもおかしくない時代になってきました。

私は、恐らく2年か3年のうちに、不景気は間違いなく起こると予想しています。不景気になると、人員的なリストラを行って、事業を再構築する企業が多く、それが過去からずっと繰り返されている訳です。私は、社員をいたずらに増やすのではなく、最少人数で経営できる方法を考え、そして実行に移すべきだと考えます。世の中は凄まじいスピードで進化していますので、AIやロボットを駆使し、ITで人手不足を解決できる領域もかなりあるでしょう。但し、ITに偏ってしまっては、コミュニケーションで問題が起きると、私は思っています。仕事の効率化、簡素化を最優先するあまり、隣の人にまでメールで依頼する等、社員の関係性がどんどん希薄化していき、結果的にコミュニケーション不足で足元をすくわれる事態が起きるのではないかと危惧しています。私は、コミュニケーションの問題を解決するため、1年かけて全社員とランチ会、夕食会を会社の会議室で行い、皆と顔を合わせて話をする機会を設けました。現場の意見を吸い上げることもでき、非常に良いコミュニケーションが取れたと思っています。

今後さらに縮小していく日本の経済の中にあって、3つの経営上重要なポイントがあります。まず1つ目は、社員を増やさない経営。2つ目は、一人一人の能力を高めること。3つ目は、人と人とのコミュニケーションを徹底的に高め結束すること、この3つを重視することによって、本当に良い会社になります。それを実証するものとして、当社が運営する「未来型理想企業塾」の会員企業の中で、社員を増やすことなく業績を上げることができた、という良いお話を聞く機会が増えてきたことが挙げられます。

今回の「時代を読む」が、皆様のお役に立つようにと願っております。

代表取締役社長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道