一時的資産バブルの向かう先は? - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.251  2020年 07月号

一時的資産バブルの向かう先は?

前回の「時代を読む」で緊急報告を発信しましたが、現実的に資産バブルが起こりそうな気配を感じています。そして、その資産バブルはどこに向かおうとしているのか?ということを皆様にお伝えします。

私は、資産バブルというのは、株価や金価格、そして不動産価格が上昇していくことなのですが、それが起きる兆候として、日経平均株価が24,000円を超えることをその1つの現れと考えています。但し、ここ2~3ヵ月は、不動産の処分売りが少しずつ始まって全体感で下落傾向にあると思います。それは、今回のコロナウィルスの影響による、飲食・アパレル・ホテル・観光関連の業績悪化に伴う賃料収入の減少といった不安材料から、今のうちに売却したほうが良い、という心理が働いていると思います。その中で魅力的な物件は何かといえば、それは都心5区の駅に近い物件や地方でも中心部であり、今だと特に住居系です。

なぜ資産バブルが起きるのかといえば、あくまでも株価の上昇を前提としますが、各国の経済対策の影響により資金が潤沢になったため、投資資金の行き場が無いからです。これから、世界中で余ったお金が株に投資され、不動産に投資されていく可能性は大いにあります。そして世界を見渡した時、日本は株も不動産もまだまだ安いため、その資金が日本に流れ、日本が一時的な資産バブル状態になるという可能性があるのです。但し、郊外がその恩恵を受けることはなく、都市部や地方の中心部に限定されると思います。一方で、コロナウィルスの第2波、3波が終息し、ワクチンが開発された場合、今の勢いが継続すれば、景気もかなり引っ張られて良い方向に様変わりしていく可能性もあると予測しています。

しかし、過去の経験からもわかるように、遅かれ早かれバブルは必ず崩壊します。現在の経済政策の一部は給付金といわれる返済の必要ないお金ですが、大部分の資金は返済が生じる資金です。返すことができればよいですが、返せない人たちも大勢出てくるでしょう。また2024年の新券の発行も含め、100兆円単位で資金が市場に溢れ出てくる状況は少し不気味な感じがします。

私は常々、おかしいものはおかしい、そしておかしいものは正しく是正される、と言っています。コロナウィルスからの立ち直り、3~4年後は資産バブル崩壊の可能性など、これからは大変な時期を迎えると思います。しかし、それを乗り越えると日本は素晴らしい国になっていくのではないかとも思っています。私は、政治・経済の専門家ではありませんが、そのような時代の流れを感じています。

今回の「時代を読む」では、このような考え方もあるというお話をしました。皆様の参考になるようにと願っております。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道