時代を読む

VOL.262  2021年 6月号

最悪の時を考える

今回の「時代を読む」は、「最悪の時を考える」というテーマでお話しします。例えば、首都直下型地震や南海トラフ地震等は、たびたびニュースにおいても30年以内に発生する確率等が取り上げられており、地震が起こる可能性が高いといわれていますが、「可能性」ではなく、むしろ起こることを前提に準備すべきということです。

日本国内において、少し出遅れた感じではありますが新型コロナウイルスに対するワクチン接種が始まり、なんとなくですが今年いっぱいで落ち着くのではないかと思っています。経済に関しては、前々からお話している通り世界中のお金が日本に集まり、株式・不動産のバブルは2~3年続くのではないかと予想しています。景気は良くなれば必ず悪くなる時がきます。但し、不景気になる可能性が高いというより、恐慌が起きる、というくらいの前提で準備をすべきということです。具体的には、社内のコストを抑えながら堅実なキャッシュ・フロー経営を実現する、新しい時代に求められる新規事業・新商品を開発する、そして将来の会社を担う人材を育成することです。今のこのバブルに踊らされることなく、是非真剣に考えて準備していただければと思います。

もう1つは地震や台風といった自然災害への備えです。近年は、少し前に比べると温暖化のせいか、台風による被害が甚大化するケースが確実に増えています。冒頭でもお話ししたとおり、将来的に大地震の自然災害は高い確率で起きると思います。当社では大規模な自然災害が発生することを前提に、従業員・現場・お客様を守るために事前に何をすべきか、発生した瞬間は何をすべきか、また発生から2~3日後には何を行うべきか、ということ議論して方向性を決定するための大災害プロジェクトを立ち上げました。現場の安全性の確保、システム障害に対する備え、ライフラインの確保等に加えて、当社の扱うストレージが皆様の手助けになるような商品、つまり世の中のお役に立つような商品にしていくことも考えています。

大恐慌や自然災害といった、とてつもないようなことが起きると、一瞬全てが止まってしまうということがあります。また人間には、「正常化の偏見」という、危険が目の前に迫ってくるまでその事態を楽観視して深刻に受け止めないという心理が働いているといわれています。「正常化の偏見」に陥らないためにも、最悪の時を考えたうえで万全な準備というのは難しいかもしれませんが、できる限りの準備をすることが大切です。また、そのような時を乗り越えることで、素晴らしい未来が見えてくるだけではなく大きなチャンスを掴むことができると思います。

今回の「時代を読む」が、皆様のお役に立つようにと願っております。

代表取締役社長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道