コスト意識を変える - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.272  2022年 4月号

コスト意識を変える

今回の「時代を読む」は、「コスト意識を変える」というテーマでお話しします。私は、度々この「時代を読む」で、お伝えしている通り、遅かれ早かれバブルの崩壊が起き、大変な時代が来るだろうという考えをお伝えしています。そして、その時代において必要となるものが、「理念」であるというお話もしました。

そこで今回は、コストをテーマにしたいと思います。コストというとコストカットをイメージする人が多いと思いますが、今回のテーマは、売上を伸ばして経費を減らすという収益構造を理解したうえで、どのようにコストに対する意識改革を行うか、ということです。当社では、数年前、100円単位で物事を考えるというプロジェクトを立ち上げ、売上・経費の両面から様々な改善を行いました。これはかなりの成果を上げたのですが、今回は、そのプロジェクトをさらに10円単位に見直し、再始動することにしたのです。

不動産業界において、10円単位で物事を考えることはあまりありません。一方、当社は不動産業界といってもストレージ事業を中心としたストック型ビジネスを展開しており、他とは一線を画した事業を行っています。このような事業を営む当社では、1室あたりで考えた場合、どうしたらお客様の満足を実現しながら10円単位の売上を増やせるか?どのようにして10円単位で経費を見直すことができるか?ということを思考のスタート地点にすることが必要だと考えました。その結果として、新しいサービス・商品が生まれることもあります。また売上・経費の単価を見直すことだけでなく、どうしたら商品であるコンテナ本体やトランクルームとして活用している建物を長く使うことができるか?や、どうしたら事業を長期的に展開できるのだろうか?ということにまで考えが及ぶのです。

このような思考の積み重ねが、少人数で利益が上がる仕組みの実現を可能とします。これはもちろん、社内の人材育成ツールである「エリアリンクマスター」を活用し、従業員一人一人の能力を最大限に発揮できる仕組みや、コロナ禍に入る前から優秀な在宅社員を採用し、様々な領域において活躍している結果でもあります。つまり、全従業員が、どのようにお金を使うか?どのようなやり方をするか?どのようにして従業員の能力を発揮させるか?を常に考え、それを実践することで、少数経営を実現することができるのです。その結果、従業員の給与を高くすることもできますし、時間や場所にとらわれない自由な働き方を実現することが可能になり、会社も活性化します。

これから来る厳しい時代に備えて、従業員の能力を最大限に発揮させる、商品(現場)をより長く活用する、そして収益が一層改善する方法やシステムを模索し、常に構造改革を行っていかねばなりません。そのためには売上も経費も10円単位で見直す必要があるのです。長期的に安定した経営基盤を築くためには、最終的には1円単位で考える必要もあるのではないかと思っています。その結果、私の世代はもちろんこと、次の世代もその次の世代にも及ぶ、安定経営が実現できることから、これは非常に大事なことだと考えています。

今回の「時代を読む」が、皆様のお役に立つようにと願っております。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道