後進国になる日本 - エリアリンク株式会社

林尚道の
「時代を読む」

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VOL.280  2022年 12月号

後進国になる日本

今回の「時代を読む」は、少し刺激的なタイトルと思われる方もいるかもしれませんが、「後進国になる日本」というテーマでお話します。私も経営者としてまだまだ成長しなければいけない、と日々精進していますが、他社で行われている日本的な経営を見ると、なんとなくですがあらゆる面において形式にこだわりすぎているのではないか、という危惧を抱きます。

私は従業員に対して、常々「部署の目的は何か?」「仕事の目的は何か?」ということを意識して仕事に取り組むように指導しています。当社の従業員は特別に優秀な人材が集まっている訳ではありません。真面目だけどごく普通の人たちが、当社独自の仕事術である「エリアリンクマスター」や気付きの仕組みである「エリアリンクメソッド」を駆使しながら、目的意識を強く持ち日々働いているのです。そういった仕事術や仕組みを使うなかで、実力を付けていった従業員のおかげで、比較的少ない人数で高収益を上げるというパフォーマンスを発揮することができています。

当社のような考え方・働き方が全て正しいということを言っているのではありません。日本の経営者は、もっともっと社員をどのように教育するか?どうしたら成長するか?どうしたら社員が良い人生をおくれるか?といったことを考え、仕組み化して実践していく必要があると思っているのです。

またもう一つのテーマとして、綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、どのようにして日本に、世界に、それこそ地球に貢献できるか?という問題意識も会社の大小に関わらず重要だと考えています。
日本経済のデフレが続いたことで、世界各国の最低時給やマクドナルドの販売価格を見てもわかるように、日本は世界と比較して「安い」国になってしまいました。日本人は本当に素晴らしい資質を持っているにも関わらず、本当に残念なことだと思います。私には、日本的な地道にコツコツと物事を進める生真面目さやおもてなしの精神、また人情といった部分に加えて目的意識を高く持つことにより、その成果は10倍にも100倍にもなるという感覚があります。日本人的資質に加えてこのような目的意識をはっきりさせた、いわゆる目的主義を持たないと、我が国においては良い人材が育たない、ましてや良い経営者が誕生しないという心配さえしています。活性化した日本を取り戻すためには、もっと日本の経営者がもっと危機意識を持って、よい人材を育てていく必要があります。ごくたまに、「当社の社員はダメだ」と言う人がいますが、本当にダメなのはその会社の経営者なのではないでしょうか。私は、経営者は、すべての原因は我(経営者)にあり、と思うことが大切だと考えています。
当社も日本の素晴らしい考えを活かしながら、目的意識を強く持つことで皆様の手本となれるようにこれからも精進していきます。

今回の「時代を読む」が、皆様のお役に立つようにと願っております。

代表取締役会長 林 尚道

代表取締役社長 林 尚道