VOL.282 2023年 2月号
今回の「時代を読む」は、当社の特徴の一つでもある「少人数経営」というテーマでお話します。過去の「時代読む」でもお話していますが、歴史を見ても、氷河期などの大量絶滅の危機にあって、恐竜が滅び、哺乳類が生き残ることができた理由は、環境の変化に対応する順応性が高かったからだと言われています。私は会社も同じで、会社が生き残っていくためには時代の変化に対応する順応性を兼ね備える必要があると考えています。順応力を身に着けるためには、会社の規模を大きくすることなく、少人数で効率的な経営を実現していく必要があるのです。
iPhoneが発売されてから約15年、時代は凄まじい速さで進化しています。そしてこの先もそれは変わらないでしょう。それどころか、進化はもっと加速していくと予想しており、私は、恐竜が滅びた時代のような大きな変化が起きるのではないかと危惧しているのです。
私の経営するエリアリンクは、一時120名程の正社員がいましたが、現在その数は70名程となっています。その70名の規模で、在宅社員の採用や当社独自の仕事術であるエリアリンクマスター制度の導入、まだスタートしたばかりですが各自の能力を引き出すためのエリアリンクメソッドを浸透させることで120名規模の時より、高い売上、利益を残しています。これを可能にした一例として、エリアリンクメソッドをご紹介すると、社員の才能を開花させる10の気付きの仕組みがあって、極端な言い方をすると、これに真面目にコツコツと取り組むことができれば、誰でも成果を出すことができる仕組みなのです。その結果として、パーヘッド利益も順調に推移しており、昨年、某雑誌において当社は「1人当たり営業利益の大きい会社」の26位と紹介されました。
日本の労働生産性は、2021年比較でOECD37か国の中27位という状況であり、これはとても大きな問題だと思っています。時間を基準にして働くような労働慣行によって醸成された、働き方に対する規制概念が強く、柔軟性に乏しいのです。
今回のテーマでもあり、私が考え実践する少人数経営は、時代の変化に対する順応性の高さが必要の条件となります。それを実践する当社においてさえ、今のままで良いとは考えていません。その時々におかれた状況にどのように対応するか?ということを即座に検討し、向かうべき方向性を定めて意思決定し、実行していく必要があります。
これから、企業にとっても厳しい氷河期を迎える可能性が高いと予測しています。それは景気が悪化していくということではなく、時代の変化に順応できない会社が滅びていく、という意味です。気が付いた時には手遅れとなります。経営者の皆さんは、是非、今からでも既成概念を取り払い、氷河期は既に来ており、今、そこに危機がある、という自覚を持ちあらゆる対策を実行していただければと思っています。
今回の「時代を読む」が、皆様のお役に立つようにと願っております。